それはありなのフジテレビ?
関連エントリ:「さすがライブドア、さすがリーマンブラザーズ」
アクセス数がすごくなってきてびっくりしたので、もうライブドア問題には触れまい、と思ってたところに、びっくりなニュースが飛び込んできたので、思わずエントリ。ニッポン放送が新株引受権を大量にフジテレビに発行したらしいですね。それで、ニッポン放送の取締役が「フジ・サンケイグループに残ることが我々の企業価値を高める~」とかなんとか言ってるっていう。
もう、なんか間違いまくり過ぎて、何から指摘すればいいのか検討がつきません。そうか、日本も昔はこんな国だったんだなー。今が産みの苦しみかしら。これから、きっと「法務」って言葉が重要性を持つのよ!と自分を励ましています。私、Y世代とかいう世代だから、上の世代のことがきっと分からないのね。最初は「はぁ?」って思った、法律の学者の先生が言ってたらしい台詞「実務の世界にいくと駄目になる」の気持ちがちょっとだけ分かってきた今日このごろです。
私がまず「マジかよ!」って思ったのは、この取締役が本当にこの行動をとることのリスクを考えてやったのかってこと。
あなた、あなた、フジテレビはおたくの株、30%くらいしか持ってないでしょ。ライブドアのんがいっぱい持ってるんでしょ?取締役っていうのは、取締役会の一員で、株主から選ばれて、会社をどう経営したらいいか考えるものなんですってば!株主のためじゃないことしたら、株主から会社じゃなくて取締役個人の責任を追及する株主代表訴訟起こされて、損害賠償しなきゃいけないんだよー。
個人の倫理と組織の倫理とどっちが大事ですか?
そこらへん、分かってこの行動出てますか?マジですか?法務にちゃんと、行動をとったときのリスクを聞いて行動してますか?
きっと、フジ・サンケイグループの中では、フジテレビのんがニッポン放送より偉いはずで(想像)「フジテレビさんが言ってるから、そうしよう」みたいなノリなんじゃないかと、私は勝手に想像してます。
いや、分かってやってるんなら、「組織のために自分を犠牲にできる昔の人って偉いなあ」ってだけなんですけど。はぁーびっくりした。
次にびっくりしたのは、大量の新株引受権の発行です。前のエントリ「さすがライブドア、さすがリーマンブラザーズ」でも言ったことなんですけど、株式(株主権)というのは、会社に対する財産上の権利とかこういう風に経営したいっていう支配権とか、もろもろの権利を発行済み株式数で均等に等分した権利をいいます。
株式(株主権)=財産や支配権等のもろもろの権利/発行済み株式数(*)
新株引受権っていうのは、その所有者が一定期間内に請求すれば、発行会社の新株を一定価格で一定数量買付ることができる権利のことです。つまり、上の式の分子も増えて分母も増える取引のこと。これはきちんとした目的のもとに、きちんとした価格で行えば、資本がいっぱい増えて商売がいっぱいできるようになってハッピー!なものです。会社が自由になるお金がいっぱい出来るからハッピーですよね。
でもね、考えてみてください。株式っていうのは、ただの会社の財産に対する権利だけじゃないんです。会社の支配権も兼ねてるものなんです。あなたがある会社の支配権をある程度持ってたら、いきなり「オレもお金あるから混ぜてくれ、あれ?オレが一番お金もってた。じゃ、これからこの会社オレ様の会社ね」なんてされちゃたまったもんじゃないですよね。それをやったのがライブドア~。って話はもうちょっと後で
そのために、株式を新たに発行するときは、取締役会決議がいりますとか、原則公募にしなさいとか、第三者に有利な価額で新たに発行するときには、株主みんなの意見を伺う会である株主総会の決議をとりなさい、とかいろいろあるわけです。
新株引受権も一緒ですよね。新株引受権があったら、株式がもらえちゃうんだから、勝手にいっぱい出されちゃいつわけわかんない人が入ってくるか分からなくて困っちゃいますよね。だから、新株引受権も「ちゃんとした目的がないと発行しちゃいけません!やたらめったら発行しちゃ駄目です」「取締役会の承認を得てください」っていう決まりがあるわけなんです。
そう、株主に選ばれて株主のために、経営の大まかな方向性を決めていく取締役会の承認がいるんですよ。いざとんったら、個人で株主代表訴訟に立ち向かわなきゃいけない取締役の集まる取締役会の。
でも、その取締役会の下した決断って今回はなんでしょう?「フジ・サンケイグループに残ることが株主のため」。一応スジは通って見えますよね。一応のスジを通すのが法務とかコンサルタントとかそういうヒトのお仕事~
でも、「ちゃんとした目的がないと発行しちゃいけません!やたらめったら発行しちゃ駄目です」って規制を忘れてます。会社は株主のものです間違っても取締役のものじゃありません。取締役は株主に選ばれてるだけなんです。取締役が勝手に新株引受権を発行できるんだったら、お金持ってるパトロンさえいれば、「このヒトの会社にやっぱなーる」って言って、新株引受権を大量発行すれば、どこの会社でも取締役の好き勝手で株主を選べちゃいますよねそれをされちゃ、誰も株式会社に投資しなくなっちゃうので、それは駄目です、っていう規制があるわけなんです。
今回のことをみると、どうもニッポン放送の取締役が株式を40%持ってるライブドアより株式を30%しか持ってないフジテレビにつきたくて、無理矢理、新株引受権を発行したように見えます。つまり、取締役が全然株主のことを考えない独断をしたみたいに、みえちゃうかなー、みたいな。いや、まあ、ライブドア以外全員の株主が「フジ・サンケイグループがいいの~」って思ってるとしたら、取締役は全然独断で動いてないわけですが。つまり、なんかやっちゃいけないことやっちゃんたんじゃ???
いや、でもでも、ライブドアだって、勝手に株式を買って「オレ、お金持ってるから、今日からオレがご主人さまね」ってやって来たんじゃん!どっちもどっちでしょ?って思うかもしれません。
でも、ライブドアのやったことって「公開かどうか分からないところ」で「公開じゃないと買っちゃいけない株」を買っただけなんです。堀江さんも言ってたけど、グレーゾーンのままほっといて駄目なら駄目で「駄目です」っていっとかない主管官庁が悪いわけなんですよね。役人が駄目っていっても裁判所が「いいです」って言えば、いいわけなんで、それは最終判断ではないですけど、役所の判断に従ったなら、それは斟酌されるでしょうし
対して、フジテレビのやったことって、「それOKなら、株主より取締役が偉くなっちゃうでしょ」ってことなんですよねー。こう、会社法を根幹から揺るがしちゃうような。アメリカ(あのアメリカさえ!)でも「既存株主の利益を害するから、やっぱり発行差し止め」とかされてるような。
うーん、それはいいんですかねー。私はナシって気がするんですけど。まあ、裁判所の結果待ちです。
以上、私見でした。











非常識の世界では常識が非常識
最近読者登録をしてくれたkashさんの推薦の名言です。
丁度、私が書きたいと思っていた件とテーマが合っているので
流用させていただきました。
Kashさんありがとうございます。
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