格安DVD屋さんニュース
Posted by michy on 3月 7, 2005 in 法務っぽい
「我が駅も都会になった」で格安DVD屋さんを「こういうのって、実は買うだけなら著作権法違反じゃないんだよねー、なんてね思いながら通り過ぎました。うーん、なんかとっても都会の住人になった気分。」と書いてたら、微妙なニュースを見ました。
「海賊版DVD撲滅へ配給会社が一掃作戦」
海賊版DVDとその実態!というような記事です。しかし、映画会社がこう報道して欲しいのは分かるし、うちもコンテンツホルダーならそうして欲しいと思うけど、なんかあまりにツッコミどころが多かったので引用してつっこんでみます。
海賊版DVDを売る男は、売るのはダメだが、買うのは問題ないと言いますが、これは間違い。購入者も罪になるおそれがあります。
うーん、配布してる人は、コピーしてるから明らかに著作権法違反なのですが、購入者はその作品を家庭内で視聴するだけなら、なんら著作権法違反の行為はしないはずです。
著作権者には、「著作権」が与えられます。これはどういう権利かというと、複製権や頒布権といったいくつかの権利がまとまったものです。
著作権者は、そのいくつか権利の全部や一部の利用を許諾したり、全部や一部の権利を譲渡したりすることによって、お金を得るわけです。
これが他者によって勝手に行われると、お金を得ることができません。なので、著作権法違反としてその行為を差し止めたり、損害を賠償したりすることができます。
著作権を構成するいくつかの権利の中には、複製権(コピーする権利)や頒布権(配布する権利)、上映権(公に上映する権利)、公衆送信権(他人がデータをダウンロードしたりして見れるようできる状態におく権利)等はありますが、家庭内での私的な使用は含まれませんし、購入権などといったものもありません。
だから、ただ買って家でみるだけなら、どう考えてもシロだと思うのですが、どういう法律構成なんだろ???
噂ではたくさん持ってると、「売る商売をしようとしてたんだよね?」ってことが肯定されてクロになる可能性があるとか聞きましたが、これはなんだか、そもそも「買っただけでも」っていうだけとは違うし、うーん。
それとも、家庭のパソコンでみるんだけど、これが偶然インターネットにつながってて、しかも、そこにファイル交換ソフトなんて入ってて、このDVDを偶然交換対象品に指定しちゃったら、見てるだけだけど、公衆に送信可能な状態になってるから違反だよねえ、とか、うーん。
なんとなく。世の中の行為のほとんどは法律的に「グレー」だといういい見本に思えます。つまり、適当に法律構成をしたり、おおまかな行為だけをいえば、その中には、必ず違反の「おそれ」はあるという…。世の中って怖いなあ。
そして、肝心の映像を調べようとしたときでした。パソコンの画面に映像が映りません。画面が真っ暗です。 この海賊版DVDは、映像が全く出ない上に、パソコンの調子も悪くなりました。
「これが海賊版の実態です」(調査員)
いやいや。本当に画面が真っ黒になって、PCが調子悪くだけのDVDなら誰も買わないし、売れないから、映画会社困らないでしょ…。まあ、ジャケットの著作権は侵害されますが…。
映っちゃって、しかも、それなりにキレイだったりするから迷惑してるんでしょ…。
しかし、日本の未来のために、いい市民のみなさんはこういうところは利用しないようにしたほうがいいとは思います。











初めまして。わたしももともとは法務の仕事をしてたので、実は毎日チェックさせてもらいます。ウンウンと思うこと多々です。
Winnyでも幇助にあたるかどうかぐらいですからねえ。ダフ屋からチケット買うみたいのと同じような構造ですねえ。
パソコンのソフトと同じで、著作権料(利用料)を支払わずに視聴するから、OUTなんじゃないですか?
著作権の流れで言えば、例え正規のDVDでも万引きしたものなら、著作権法上の違反にもとえると思うんですが?
私もその番組を見ていましたが、「購入」は大丈夫だと思いますが、「転売」は駄目ですよねぇ。
まぁ、松下vsジャストシステムの一太郎事件と同じで末端ユーザーが一太郎を購入する行為自体が権利侵害に該当しないと言うことと同じですね。
>>わんさん
残念ですが、著作権には「利用権」というものはないんです。(たぶん、「利用」という行為が定義できないから)
コピーしたソフトウェアを使用するのがいけないのは、コピーすることを可能にする権利(=複製権)を侵害しているからになります。その他、起動してたときに出てくる画面で利用規約を読んで「同意する」を選択したら、その契約に違反してる可能性もあります。
だから、万引きしたDVDを見ることは著作権法違反にはなりません。窃盗にはなりますが…。
>>無名人
購入した人が転売した場合には著作権法違反になるから、「購入者も罪になるおそれがあります。」っていう構成ですか??うーん、私としてはびみょー…。
一太郎の例は特許権になるので、著作権とはちょっと違います。特許は「実施」すると特許権を侵害したことになります。「実施」が何にあたるかは物の発明か方法の発明かとかで違ったりするのですが、生産したり使用したりすることを指します。なので、利用者も違反に問われる可能性はあるんじゃないかと思います。
ただ、普通は使用許諾契約書に「ソフトウェアを購入するんだから、特許に違反してても損害賠償はソフトウェア会社がやってね!」って書いてあるものなので、心配は無用かと。そもそも、そんな裁判、めちゃくちゃ手間かかるし。
長くなったので、わけてコメントします。
>>yoshikaさん
ありがとうございます♪法務の話って法務同士では通じるのですが、他の職種とはどうも意見があわないことが多いので、思わずこんなブログを書いてみました。
これからも「へー」とか「うんうん」とか「わかるよ」と思ってもらえたら幸いです。
>特許は「実施」すると特許権を侵害したことになります。
いえ、「実施」=侵害ではなく、「業としての実施」=侵害です(特許法68条)。従って、家庭内実施は非侵害になります。
TVや洗濯機が仮に侵害製品だとしてもそれを自分の家で私的に使用する分にはその行為自体は侵害行為には該当しません。
>>無名人さん
あああ!!!その通りです。すみません。
刑法とごっちゃにして、反復継続していれば「業として」になるかと思い「つまり使ってればそうじゃん!」と結論づけ、読み飛ばしおりました…。
特許の「業として」はおっしゃるとおりです。
ああ、会社でしか法律やってないからこんなことに…。ご指摘ありがとうございます。
>あああ!!!その通りです。すみません。
いえいえ、とんでもありません。
そっち方面(知財)の職業人な者ですので、一言、触れさせていただいた次第です。
知財以外はド素人ですので、今後ともよろしくお願いしますm(__)m