「亡国のイージス」福井晴敏
今年は福井晴敏イヤーらしい。「亡国のイージス」と「終戦のローレライ」が漫画化されるは、映画化されるは。いくら「はやりすぎるものってちょっとねえ」と思ってて、「Deep Love」とか読んでない私でも「こ、これは押さえとかないとヤバイのでは」と雰囲気が漂いまくり。
潜水艦とか出てくるので、戦争ものかと思って、「戦争ものはもう『プライベートライアン』で終わりにしたいんだよね」と思ってたんだけど、もう2年くらい通ってる美容室の美容師さんに勧められたので、チャレンジしてみることにした。
「亡国のイージス」

戦争ものかと思って警戒していたので、それより全然ミステリぽっくって感激。ただ、やたらと階級とか、メカの解説とかは詳しいので、やはり男の子向けっぽい。私は理系だけど、イマイチそういうことには興味が無いらしい。「蒼穹の昴」 では、中国の役職とか覚えるのが楽しかったのに、何故軍隊の役職を覚えるのが苦痛なのかは私もちょっと謎。
いきつけの美容師さんは、最初の主人公(?)の高校生の頃のエピソードだけ読んで引き込まれたらしい。確かに、とても暗い話なんだけど、筆致が巧みでとにかく読ませる。ただ、私は主人公があまりに精神的に強すぎて、そこにイマイチ入り込めなかった。私は精神的に弱いから。でもそうじゃないとこの話は成り立たないし、そういう人がいるんだ、ってことを実感できるような書き方で、そこにリアリティは感じた。
最初は淡々と進んでいくんだけど、上巻が終わるあたりから、物語が見えて来て、読むのをやめられなくなる。「ええ!?そうだったの!この先どうなるの?ええ、そこでそうなっちゃうの!?」って感じの出来事ばかり。
物語の材料としては、戦闘機とか戦艦とか作戦とか、「戦闘モノ」って感じはあるんだけど、実はスパイものっぽい要素もあったりとか、奥を流れてるのは自衛隊や軍隊に対して無関心な民衆や、適当なことをいう政治家への憤りであったりとかして、すごく考えもさせられる。
私はメーカーで法務やってて、すごい金額の大きい契約なんかが横を通っていくのをみていて(私は担当ではないっすが…)、大きな名前の企業なんかの提携のウラとかを見れて、締結されたら新聞発表なんてされちゃうわけで、「私たちってちょっと何かを動かしてる感じ」と思ってました。で、国際政治で、北朝鮮との緊張がどうのとか報道されても、新聞でそういう国際欄をみてても、経済にあんまり関係なかったら、「まあ、それはお任せするから好きにやってよ」ってスルーしてた。
でも、そういうのって、やっぱり衆愚政治に繋がる第一歩なんだろうなあ、とこの本を読んで身につまされました。民主政治は、国民に政治を理解するある程度の義務を課してて、その義務を履行しないとダメ。全てのことの詳しいってことは、確かに現実的じゃないし、 だからこそ会社でも「部署」ってものがあって、分業はしてるんだけれども、少なくとも、新聞の事実を読んで、それを自分なりにある程度は解釈できる程度の意見なり知識なりは欲しいなあ、と思いました。
っていうわけで、すっごく引き込まれて、読まされたし、考えさせられました。次は、これの一つ前の「Twelve Y.O.?」を読んでみたい。











>「私たちってちょっと何かを動かしてる感じ」
いや、むしろ何かに踊らされてる感じだよ…
デカい案件ほど、うちらが何言ってもぽしゃらないもんさ。
>戦争ものかと思って
私も全く同じ理由で読まなかったのですが、そうじゃない
みたいなので、読んでみようと思います。
Deep Loveは怖いもの見たさで昨年読みました。
ランブルローズ買うよりも、渋谷の大盛堂書店でDeep Love
買うほうが勇気いると思うんですが・・・
>>ばどがーるさま
がーん。動かしてる気がしてたのは私の妄想!?でも、妄想でもそんな気がして、それによって仕事のやる気ががでればいっか…。
でも、言われてみれば「ああいうウルサイところは金輪際つきあいたくないです!」ってところとばかり契約してたり、前聞いた話といつの間にか違ってて、相手への説明がしどろもどろになったり…。いやいや、そういうことは気づかないフリをするの!
>>名無しさん
おお、Deep Loveどうですか?私は勝手な理解で文章で読むのはツライかな、と思って、全部が漫画化された頃に漫画喫茶に出かけようかと思っています。
男性がDeep Loveを買うのはつらそうですね。私は「電車男」を買うのがツライのですが、ツライと思ってる自分がダメなのはちょっと自覚あります。
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