「幻夜」東野圭吾

Posted by michy on 10月 5, 2005 in フィクション

「幻夜」東野圭吾

これの前作と聞いた「白夜行」東野圭吾(in this blog)がおもしろかったので、ずらりと控えている他に読む予定の本の順位を飛び越えて、さっそく読んでしまった作品。
「期待しすぎたせいか…」というようなコメントを頂いていたので、あまり期待せずに読んだせいかおもしろかったです。また最初からストーリーがはっきりしているので、前作よりは断然読みやすい印象を受けました。でもその分、物足りなさも感じたので、もしかしたら「幻夜」を読んでから「白夜行」を読むのがいいのかもしれません。
お話は、より分かりやすい「百夜行」という趣きなのですが、ちょっと主人公の男性が普通の人なのが私としてはイマイチでした。前作みたいなヒネくれた主人公がよかったのですが、普通の幸せを追い求めていて、ちょっと幻滅してしまいました。私は普通に幸せに生きるのが一番だと思ってますが、だからこそ、物語の中くらい屈折した生き様を体感したいものです。
でも、エンディングは満足のいくエンディングでした。やっぱり、こうでなくちゃ。
前作の感想で、私が宮部みゆきの「火車」とアーサー・ヘイリーの「ストロング・メディスン」を思い出した芯の強い女性が、作中で「スカーレット・オハラのよう」と評されます。
確かに、まず、「風と共に去りぬ」を思い出すべきだったのかな、と思いました。この物語は現代に生まれた裕福な家庭でもなく、レット・バトラーも現れないスカーレット・オハラ、ミステリ仕立てなのかなー、と思いました。「百夜行」のほうには、アシュレー・ウィルクス(スカーレット・オハラの初恋の人)やメラニー・ハミルトン(その恋敵というか結婚相手)ととれなくもない人があらわれますし。
私は「風と共に去りぬ」が大好きなので、同じようなモチーフの物語が好きなのかもしれないなー、と思いました。
ただ、映画化で絶世の美女ヴィヴィアン ・リーが演じたせいであまり知られていないのですが、「風と共に去りぬ」のスカーレットはその一文目で「SCARLETT O’HARA was not beautiful,(以下略)」と書かれていて、絶世の美女だったわけではなさそうで、その点では本作の女性とは似つかないなあ、と思います。(でも、私のイメージの中ではヴィヴィアン・リーがスカーレット・オハラです!!!)

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