よくできたGoogleのブランド使用規約
Posted by michy on 12月 7, 2005 in 法務っぽい
Webをぶらぶらしていたら、SiteBites | Blogで、「Googleさんと仲良くするためのいくつかの心構え」でGoogleについてこんな表記を見つけました。
しかし、サービスの利用同意事項にはロゴだけではなくサービスのスクリーンショットや記載文面など、これがGoogleらしいものだと一目で判別しうるすべての要素や素材の無断使用や転用を一切禁ずる旨の条文がある。GoogleのことはGoogle自身が語るべきであり、たとえそれを利用しているユーザであったとしても、その解説を実際のサービス提供画面から引用して行うことは許されないということだ。
スクリーンショットもだめなの!
ちょっとびっくりしました。Googleのスクリーンショットを使って、サービスの解説や批判をやったらダメなんて。
私はアルバイトを含めたお仕事で利用規約を作っていたこともあって、だいたいそこに何が書いてあるのか分かるので、いつも利用規約は読まずに同意したり、Agreeしたりしています。
注意:良い子のみなさんは絶対に真似をしないでください。利用規約はきちんと読んでから同意しましょう。何があっても責任持てません。
だって、契約書みたいにネゴできるのならともかく、サービスを利用するには同意するしかない利用規約を読むのに労力を使うなんて時間の無駄っぽく思えるんです。しかも、利用規約を作ろうと考えてみれば分かるのですが、そこはだいたいユーザーにやって欲しくない商用利用とか想定外の利用を制限して、自分を免責しているという内容になります。つまり、逆のこと、サービスの想定外のことをやりたいときや責任を持って欲しいときだけ利用規約を読めばいいということになります。
この「サービスの想定外のこと」は、サービスの技術的な知識がない場合やそもそも著作権などの法律の知識がない場合は、意図せずして行ってしまう可能性があります。だから、そのために利用規約にはいろんなことを書かなくてはいけないわけです。
しかし、私の場合は「この、私を誰だと思ってるの。何でも中途半端、法務だけど理系女子よ。技術も法律もある程度なら分かるわよ」というわけで、自分を驕ってだいていの場合は利用規約を読まないのです。いろんな人にあてはまる明らかな不利益を大勢に適用しようとしたら、私以外の偉い人が読んでニュースサイトが騒いでくれるとも信じています。
しかし、Googleを利用してこのかた、スクリーンショットが自分のWebで使用禁止とは考えてみたこともありませんでした。私もいつもの方針を改めなければいけないかもしれません。
急いで、Googleのサイトを確認してみました。サービス利用規約は普通で、特にスクリーンショットなどについてコメントしてません。むしろ、多数言語で多数地域対応しなければいけないところ、必要なことを必要なだけ厳しめに書いてあって法務としてはとても好感がもてます。日本語訳もとても自然です。今まではYahoo!が口語調であるもののわりときちんとしているので参考にしていました。しかし、検索だけではなく利用規約もYahoo!ではなくGoogleの時代がやってきていたんですね。何かあったら参考にすることにしました。
しかし、こうなるとスクリーンショットについてどこに書いてあるのか気になります。ちょっと探してみたら、Googleブランド使用規約というページがひっかかりました。太字は筆者です。
Google 社では、Google をご自分のサイトに掲載したいというユーザーの方々からのご要望すべてにお応えしたいと考えております。しかしながら、Google というブランドが培ってきた、客観的かつ公正な検索エンジン プロバイダとしての評判を保護するために、ブランド名がサイトに掲載されることで、Google がそのサイトに支持を与えている、あるいは提携しているとの印象を与えかねないご要請についてはお断りさせていただいてます。これは、Google の登録商標、ロゴ、Web ページ、スクリーンショットなど、Google 独自の特徴 (以下、「Google ブランド」) が、疑わしい資料と関連付けられると弊社が判断した場合にも当てはまります。
そのため Google ブランドのご利用にあたっては、書面による明示的許諾を事前に得る事が必要です。Google ブランドについては、当ガイドライン、および当該契約条件に従い、Google が許可した特定の目的に限り使用できます。当ブランドの使用法に関してすでに Google と書面による合意を交わしている場合には、その契約書の合意事項以外の使用を望むのでない限り、使用許諾を改めて申請する必要はあ りません。それ以外の場合、書面による事前の許可なく Google ブランドを使用できるのは、Google 検索ボックスなど、当ブランドを事前の許可なく利用できることが弊社 Web サイトで明示されている場合に限られます。
普通はこういう著作権に関する表示みたいなものって、ロゴなどの明確な著作物の使用に関する場合だけに適用されるものだと思ってたんですが、明示的にスクリーンショットと書いてあります。
何でサービス利用規約からブランド利用規約にリンクしてなくて、こうやってぽっとおいてあるだけでブランド使用規約がすべての他のWebサイトでスクリーンショットが使用される場合に適用されることになるんだろうー、とちょっと悩んでしまいました。Gmailの場合はGmailの利用規約で下記のように明示的にリンクされていますが、汎用的なサービス利用規程にはこのような箇所がありません。ちなみに、Gmailは利用前に利用規約に同意しないと利用できないので、ブランド使用規約違反=利用規約ということになります。
広報活動 : Google の商号、商標、サービスマーク、ロゴ、ドメイン名、およびその他の特有の表示 ( 以下「 Google ブランド 」 ) を使用するためには、その使用が本契約およびその時点で有効な Google ブランドの使用に関するガイドラインの内容もしくは引用事項に適合している必要があります。かかるガイドラインについては、 http://www.google.co.jp/permissions/guidelines.html ( または Google が随時提供する他の URL) を参照してください。
ロゴが載ってるスクリーンショットの場合は、利用を制限するのは簡単です。ロゴはGoogleの著作物なので、著作権者であるGoogleが明示的に許諾した場合を除き、Google以外の他者が利用すれば各国の著作権法違反です。で、著作権者の明示的な許諾条件というのがブランド使用規約になるので、そこで利用に制限をかけていれば、ブランド使用規約違反の利用は著作権法違反になります。
でも、ロゴのないスクリーンショットの一部だったらどうでしょう。どういう根拠でこういう制限をかけているのかちょっと悩んでしまいました。そして気づきました。
そうだ、スクリーンショットイメージもGoogleの著作物ってことなんじゃん!
こんな簡単なことに思い当たらないなんてどうかしてるよ、私。そうだよ、そうだよ。勝手なWebサイトでスクリーンショットの一部を使われても、Googleが生成したスクリーンショットイメージ自体が著作物だから著作物の一部を著作権者に無断で利用していることになるんだよ。
あれ?でもそれじゃ、著作物の一部だから引用ができることになるんじゃ…。
引用は、条件を満たせば著作者の許諾なく行うことができます。引用は、利用規約などで制限できる任意法規ではなく、どんな場合にも必ず適用される強行法規だから事前同意で制限をかけられるとは思えません。
引用は、質的にも量的にも引用する側の本分が主で引用が従であるといえ、引用部分がはっきりと区別され、引用元が明示されているならOKとされています。
つまり、Googleのロゴを含めないような正当な範囲での引用になるようなスクリーンショットの一部を用いながらなら、Googleのサービスの解説をできることになります。もちろん、Googleと提携しているかのような誤解を与えるような作り方をしたら著作権法以前に不正競争防止法違反だと思いますが…。
なーんだ、心配したほどじゃないじゃん。よく考えたら、そもそも、ロゴを使用したスクリーンショットの無断複製って誰も著作権法の権利を行使しないだけで著作権法違反だから、他のサイトでもやっちゃいけないし。
しかし、Googleのブランド使用規約はよく考えてありますね。見習わなきゃ!!











TBありがとうございました。
わたしは法務には明るくないのであまり突っ込んだコメントはできなくて恐縮ですが….
一般に制限なく(とはいえ一部の例外はある)公開されている検索サービスのようなものはこちらの解釈でいいのかもしれませんが、例えばAdSenseなどのようなサービスはもっと厳しい内容ですね。「著作物」としてではなく、サービス利用にあたって明らかにGoogleと利用者の間で交わされる情報のやりとりは全て「秘密」であり、それらの情報は「機密の情報」のようです。
そして、利用許諾の条件には守秘義務が存在しますので、特にサービスの利用者だけが見ることのできる画面などはスクリーンショット掲載はNGとみなされるようですよ。
平素はポリシー違反に関してはアラームがあがっていても大部分のケースで見過ごされているようです。それが意図的なのかそれともそこまで手が回らないからなのか知る由もありませんが、あからさまなやりかたで違反を犯した場合には措置がとられるようです。
ただ、過去にあちこちのブログなどであげられている事例に関してはGoogle側のお粗末な対応もあったようですね。この点は改善されていることを願ってます。個人的な感触としては極めて紳士的対応だったとコメントしておきます。
コメントありがとうございます。なんと!AdSenseの場合は利用規定がより厳しいんですね。それはびっくりです。
さっそく確認したらAdSenseの利用規約だけ日本語版がまだなくて英語のままでした…。読むなってことかよー。がんばって読んでみたら確かにご指摘のとおりのようです。
なるほど、そうなってたんですねー。本当、利用規約はきちんと読まないといけないですね。
でも、この場合、英語なので読むまで心理的ハードルはそうとう高いですし、気をつけてよまないと読んでも気づくかどうかも少し謎だから、やっぱり私がなるべく利用規約を読むようにしても気づかないかもしれないので、私はまだ読む必要がないかなー、とまだまだ利用規約を読まずに「同意する」ボタンを押しても変わらないかも、かも、と少し抵抗気味です。
コメント返信ありがとうございます。
> さっそく確認したらAdSenseの利用規約だけ日本語版がまだなくて英語のままでした…。
AdSense利用者用の画面の最下部に「プログラムポリシー」があります。そこをクリックして表示されるページの中の「利用規約」をクリックすると日本語にローカライズされた利用規約が出てきます。
ただし、この規約は随時変更され、その場合は英文の内容のほうが早いでしょうから、最新情報として英文の利用規約が目立つようになっているのかもしれません。
しかし、わかりづらいですよね。あるいはこれがGoogleさんの「ユーモアのセンス」なのかもしれません(苦笑
Googleのブランド使用規約
michyさんのブログで面白いエントリーがありましたので、少し自分の頭の整理の意味も含めてメモしておきます。
問題の所在は、Googleのブランド…
本当ですね。利用規約直だと英語で、プログラムポリシー→利用規約だと英語なんですね…。見事にだまされました。何でも分かりやすいGoogleさんらしくないユーモアですね。
Google から警告。AdSense がポリシー違反していると・・・(((( ;゚д゚)))
天下の Google さまから、Google AdSense のプログラム ポリシーと利用規約に違反していると警告が来てしまいました・・・ (((( ;゚…
gigazineの「GIGAZINEがGoogleブランド使用許諾を得るまでの物語」記事中の参考リンクをみてやってきました。
スクリーンショットについてのコメントをみて、「建築物の外観」写真の権利の扱いでした。撮影者の権利は当然のこととして、建物の設計者、一緒にうつりこんでいる人たロゴ、商品陳列などの権利です。けっこうややっこしいんですよね。
スクリーンショットだけでなく、引用として要件を満たしているか、私も神経をいつも使っています。とても悩ましいです。
参考:allaboutの建築物の写真についての説明 http://allabout.co.jp/internet/webmaterial/closeup/CU20040920A/
大変遅いコメントで申し訳ありません。
許諾は本当に気を使うことが多くてややこしですよね。
あまり気を使いすぎるのは、かえって色んなものを萎縮させてしまうのではないかと思っています。
ある程度のガイドラインがあるといいなあ、というのが実感です。