「扉は閉ざされたまま」石持浅海
「このミステリーがすごい!2006年版」で、2位なうえに新書だったので、帰省の暇つぶしにと購入してみました。「白夜行」東野圭吾(in this blog)以来、東野圭吾の切ない恋愛ものミステリーは大好きなので、本当は1位の「容疑者Xの献身」が読みたくて読みたくてたまらないのですが、ハードカバーって買ってしまうと場所に困るし、図書館で借りようとしたら数百人待ちだし、キー!!!!
そんな中、お手頃サイズの2位の本を見かけたら買うしかないでしょ、とあまり中身も確かめずに購入しました。購入してみたら、「大学の同窓会で」といきなり密室&本格推理っぽくて、社会派が好きになってしまった私は少しげんなりしました。
しかも、英語の副題も「The door is stiil closed.」になってるけど、前から閉じられたままで、今も閉じられているってことが言いたいなら「The door has been closed.」じゃないの、としょっぱなから突っ込んでしまいました。未だにこの疑問は解けません…。
本の筋立ては最初に犯人が犯行を行って、それをなんとか暴かれないように探偵役と推理バトルを繰り広げるという古畑任三郎というか、コロンボちっくなお話です。「つまらない」というほどでもないのですが、このミスで2位になるほどとも思えず、「お好きな人はどうぞ」という感じのお話でした。
こじんまりとまとまっているのですが、キャラクター作りが浅い印象を受けました。小さなグループの中に天才が二人いるっていうのにもイマイチ説得力に欠けているし、それを補うような描写も薄くその二人に対したこれといったクセもなく、背景もない印象を受けました。お互いにかなり饒舌で、読者のためなのか説明も多く、会話のやりとりも「天才通しのやりとり」というよりは、作者のプロットに沿ってお話を進めていく人形という印象を受け、「白熱の推理バトル!」のはずがなんだか冷めて読んでしまいました。
文章も読みにくくはないのですが、引き込まれるというほどではありません。探偵と犯人のやりとりも、「へーーーそういうことだったのね」と少し納得はするのですが、細かいことを突き詰め過ぎていて、「それでみんな納得したの?」と疑問に思いながら読み進めてしまうこともありました。万が一気まぐれやミスでそういうことをしてたらどうするんだよ!と何度突っ込んでしまいそうになったか分かりません。
そして、犯人がやたら時間を気にするのですが、その理由が最後まで分からないんです。「ここまで引っ張っておいたからには、すごい動機や理由があるんだろうな」と思って、最後の種明かしを読んでみて拍子抜けしました。そんな動機で殺すようなキャラならそれが分かるように最初から書いてよーー!!時間を気にしてたのってその程度の理由だったのーーー。かなり納得がいかなかったです。
でも、なんだかんだいいつつ、最後の終わり方だけは好きなので、漫画化なんてしてみたら味が出ていいのかも、思います。小説だとちょっとうすっぺたい感じがしました。
同じような題名や、限られた証拠からの推理ってことならずいぶん昔の作品ですが、岡嶋二人の「そして扉が閉ざされた」のほうがおもしろかったなあ、と思いました。














石持浅海『扉は閉ざされたまま』●
2005.5.30初版、2006.1.5第3刷。「このミス06年版」第2位。 …