「症例A」多島斗志之
私は精神病モノというか精神病院モノが好きです。後輩から貸してもらった「閉鎖病棟」帚木蓬生や前の休職中に読んで、何故か救われた気分になった「永遠の仔」天童荒太あたりはかなりおもしろかったし、好きです。
たぶん、私が精神病モノや精神病院モノが好きな理由は私は「精神病」という病を理解したいからだと思います。自分がちょっと精神病ちっくなところが興味の動機だと思います。そして、私は何か事象を理解するときに、分析的に述べた本や実証的に述べた本を読むのはあまり好きではありません。小説やエッセイを読んで、その事象を理解しようとします。だから、精神病について理解したかったら、それについて書いてあるミステリを読むのが好きです。
そんなわけで、本屋で2000年の「このミステリーがすごい」国内部門9位で、精神病について書いた「症例A」多島斗志之を見つけたときは買うことに決めていました。
あらすじとしては、前任者が「統合失調症」と診断を下した少女を診る新任医師は彼女が境界例ではないかと考えだす。ところが、臨床心理士は彼女は解離性同一性障害ではないかと疑う、といった少女の病名を巡る物語です。
大変興味深くおもしろく読めたのですが、正直いってどこがミステリなのか分かりません。ミステリーっぽく、博物館のお話なども入っているのですが、サイドストーリーのようで本編とはあまり関係がありません。「分からない病名を探す」というのがミステリなのかなー、とミステリというジャンルの定義に思いをはせてしまいました。
しかし、とにかく、こういう精神病モノが好きならオススメできる一作です。
私は常々、精神的な病というのは症状をとらえるべきで、病名で分類することに意味は無い、と考えています。私の前の担当医師が私の症状や言っていることを無視して、私を最初に思いついた病名に固定しようとして「それは○○の症状ではないよね」や「あなたはお薬が効いてると思ってるけど、それは気のせいだから」などと言い出すのが、まるで私が苦しんでいるのやその緩和のためにやっていることを否定されているようでとても不愉快でした。合併症って言葉は何のためにあるんやねん!と言ってやりたかったです。実際に私はそう感じてるんだよ!と思っていました。
しかし、この本を読んで、出てくる症状が少し違うだけで治し方や相対の仕方をここまで変化させるべきなのか、なんて精神の病というのは治療が難しいのか、と考えさせられました。症状に着目するだけでなく、原因にもきちんと思い馳せなければいけないって難しいですね。でも、こんなに丁寧に診察してくれるお医者さんならいいなあ、うらやましいなあ、なんて思いました。
ちょっと病んでる人にオススメ。












先日の「文字化け」の件で拝見して以来、ちょくちょく見せて頂いております。お体の調子、イマイチのようで・・・ご自愛ください。私自身は、にシゴト中毒歴20年以上の重症、年間350日はシゴトしていないと倒れてしまいます。貴blogにはいつも笑わせて頂いたり(失礼、とくに、ご夫婦の会話コーナーには)、研究熱心さに感心いたしております。
拝見いただきありがとうございます。仕事中毒なのはうらやましいです。私は仕事中毒になりたいと憧れています。仕事の清涼剤になれば幸いです。何でも追求しちゃうのはクセみたいなものですが、いつも中途半端で、「広く浅く何でも」が私のキーワードのようです。