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2006年02月24日

医療はオーダーメードであるべきだ ブックマークに追加する

医学って、ウィルスや外科症状以外はほとんど原因と結果のひも付きが出来ていない、科学としてまだまだ発展途上の分野だと思うんです。その中で、パッとみえる症状だけから患者に病名をつけて、以後はその病名に習って一律で処理をすることに、私はとても違和感があります。まだ医学は発展途上の分野であり、人の痛みや命を預かってることを肝に銘じて、医療はプレタポルテじゃなくてオーダーメイドであるべきだと思います。

なぜなら、病名って、「こういう傾向の人がたくさんいて、こういう治療法をしたら効果があったらしいよ」っていう程度の情報でしかないと思うんです。ロボトミー手術にその根拠がなかったは現在では利益より害悪が多いと考えられているのは有名ですが、最近でも「研究の結果、○○は実は××だったと分かりました」というようなニュースを耳にしたりすることがあります。医学の進歩って意味で良いことだと思うんですけど、「以前は昼寝は夜の睡眠を妨げるので良くないと言われていましたが、最近の医学では短時間の睡眠は健康に良いということに〜」なんてニュースを聞くと、「昼寝程度ならいいけど、重篤な病気だったら前の医学に基づいて治療を受けた人の立場って…」と思ってしまいます。

「99・9%は仮説」
竹内薫

でも、まあそれは科学たるものの宿命であるとも思います。404 blog not foundの「残り0.1%も仮説」によれば、「99.9%は仮説」は以下のようなことが書いてあるようです。(おもしろそうな本なので買うつもりですが、取り急ぎ引用の引用で^^;)

飛行機が飛ぶしくみにはじまり、プトレマイオス→コペルニクス→ケプラー→ニュートン→アインシュタインという天体物理学の流れ、ミリカンの知られざる「データ隠蔽」、ロボトミー、Intelligent Design、宇宙項、そして超ひも理論。実に数多くの実例を挙げながら、科学もまた仮説に過ぎないことを示している。

しかし、本書は「だから科学も大したことはない」という立場を取らない。

pp.153
「科学と真理は、近づくことはできてもけっして重なることはできない、ある意味とても切ない関係なんです。」

「切ない関係」であるからこそ、距離感が大事だと思うんです。科学である医学によってつけられた分類である「病名」っていうのは、過去の経験や何から得られたものであって、医者の目の前の患者にそのまま当てはまる万能なものではないと思います。

とある病気1の治療にはAが有効で、病気2の治療にはBが有効であると言われているとします。この患者は病気1か病気2っぽい症状を呈しているけど、Aを投薬しても効果がないってことは「この患者は病気2に違いなく、この患者が言っている病気1っぽい症状は嘘か、患者の錯覚である」のような態度をとる医師ってどうなのかなーと思います。まだ、判明してないだけで病気3って病気があって、それはAが有効ではない病気1っぽい症状かもしれないわけではないですか。

確かに、患者は症状を錯覚することがありますが、それは可能性の一つであって頭から否定されて挑まれると、例えば物理の世界で、理論が成立していないから現実が存在するわけない、と主張するような不思議な事態になると思います。科学、医学は常に真理に近づこうとしているけど、重なれない、だから万能ではありません。病名は万能ではないと思います。だから、医療はその人、その人をきちんとみて、つねに「既存の枠に当てはまらないかもしれない」ということを考えて、オーダーメードであって欲しいと思います。

なんで私がこんなことをいきなり述べているかというと、私自身がすごく嫌な医療体験をしていて、そういう医療は無くなって欲しいなあ、と思っているからです。以下、かなり愚痴めいていますが参考まで。

通院先の病院で、お世話になっていた医師が体調を崩されて新しい医師がやってきました。最初はビシバシ「それはね、○○なんだよ」と言ってくれて、それが痛快だったのですが、そのうち私の話をほとんど聞いてくれずに最初の印象で病名を決めてそれに基づいて話(説教??)をしているだけではないか、と思い始めました。

私はまあ、いろいろあって精神薬とか胃薬とか痛み止めとか睡眠薬とかたくさんお薬を飲んでるものの、それでも頭痛と吐き気がひどいという症状で通っていました。あまりに体調が悪くて会社に通えてると思えないので、一度休んだほうがいいのでしょうか??と相談すると「それは先生の決めることではなくて、あなたと会社との問題だから」と切り返されました。精神科の医師としてその答えはどうなのでしょうか…。善意に考えれば、いきなり「休まないとダメです」って言って私がクビになるかも、と心配してくれたのかもしれません。また、「お休みしたら、あなたのその症状は消えると思うけど、それはその間だけで復帰したらまた同じだよ。原因を直すためにも、職場の嫌なことを改善するようにしないと。あなたがきちんと働けるような環境にすることは上司の義務なんだから」とも言わました。

結局、職場の上司に相談して色々してもらったものの、その結果を待てるほど私の体調が良くならなかったことや、会社の人事のかたの判断もあって、休職することにし、そのことを告げ休職の必要性ありとの診断書を書いてもらいました。(ところで、これで出てくる診断書の立場ってどうですか???)

しかし、休職しても医師の言ったように症状がおさまることはありません。なので、「休職しても頭痛と吐き気が続くんですけど…」と訴えました。すると、「休職しても復帰したらどうしよう、と心配になるからそのストレスだね。職場に不満があるんでしょ。その解消について職場と話し合ってください」とだけ一方的に話をされて診療は終了しました。「上司にはたくさん相談しました!」という私の反論も「症状が出るってことはそれはまだ十分じゃなかったんでしょ」って切り返されて終わりました。上司にどこまで相談したかとか、それで自分は十分だと思うか、とか、何でそういう質問を先にしてくれないかなー、と思いました。

休職する前の、「お休みしたらその間は症状は消えると思うけど」という言葉は何だったんだと…。それについて一言もなく、いきなり「休んでもストレスがあるから」って何だと。そして、私のストレスの解消のために相談される上司も私が元気になってからでないとどんな仕事が可能かも分からないから困るし、そもそも、体調によっては元の仕事に戻れるかどうかすら不明だし、職場の不満についてはその医師のアドバイスもあって、上司と2、3度くらいは話あって、色々改善してもらった、って言ったじゃないか、と。そのことを忘れたなら、どうしてもう一度私に聞いてくれないの?体がその結果待てないくらい体調が悪くなって、しかも、相談って言ってもこれ以上することがないくらいなのに、なにをどうしろと。かなりカチンときました。

私に頭痛や吐き気の症状が出る=職場に不満がある

っていう図式がそのお医者さんにはあったようです。「何か職場に不満なことがあるんでしょ」と訪ねられて、「これ以上はないと思うんですけど…」と口ごもって考えたら、数秒経たないうちに「まあ、先生には言いたくないんでしょう。だけどね」なんてわけのわからない切り返しをされました。いや、まだ考えてたんですけど。話を聞いてください。

また、私は片頭痛の痛み止めと普通の頭痛(緊張性頭痛)の痛み止めをもらっていたのですが、次に訪れたときに、頭痛について問診するわけでもなくいきなりこう言われました。「あなたはお薬が効いてるって思ってるけど、それはただの気のせいだから。本当はお薬が効いて頭痛がおさまっているんじゃないから。先生はお薬が欲しいって言われたら出すけどね」

なんだとーー!!!

そもそも、そんなこと言ったら本当にプラシーボで効いてたかもしれない、痛み止めも効かなくなっちゃうかもしれないじゃんかよ。どうしてくれるんだよ。

それはともかく、確かに痛み止めの効かない頭痛もあって、その頭痛は心因性かもしれないけど、頭痛の原因って複数であることが多くって、私は片頭痛のお薬がきちんと効くこともあるし、片頭痛特有の目がチカチカするとか、そういう症状が出ることもあるんですけど、そういう私の話も一切聞かずにイキナリ「すべての頭痛は心因性で痛み止めは効かない」って何で語りだすんですか。まずは質問して、「こういう症状ある?」とか「効いてるって言ってるけどどんな感じ?」とか聞いてくださいよ。

それから、休職をしても症状が治らないことについて、「このまま休んでいてもしょうがないでしょう。どうするの?」と言われたりしました。そりゃ、働きたいですけど、このままだと働けないんですけど…。この質問にはかなり精神的に追いつめられました。

ここらへんであまりに腹がたって、この医者は私の病名をなんだと考えているのかと、診断書に書いてくれた「身体化がみられる」という言葉を手がかりにGoogleで検索してみたら、「身体化障害」という言葉がひっかかりました。

身体化障害は重度の慢性障害で、さまざまな身体症状(主に痛み、胃腸症状、性的症状、神経症状など複数の症状)が繰り返し発生し、原因となる体の異常が見あたらないのが特徴です。
(中略)
治療はきわめて困難です。身体化障害の患者は、症状が心因性のものだとほのめかされただけで不満や怒りを表します。医師はこのため、症状が心因性のものだという認識をもちながらも、心因性の問題として直接的に対処することができません。薬物療法はあまり効果がなく、たとえ患者が精神科の紹介受診に同意しても、各種の心理療法が有益な結果をもたらすことはまずありません。身体化障害の患者にとって最善なのは、症状を和らげてくれて、高額な費用や危険性を伴う検査や治療から患者を守ることができる医師と信頼関係を築くことです。なお、身体化障害のある人にも、本当に体の異常が生じる場合があるので注意が必要です。

すごくこの病気や病名に違和感を覚えました。…一応、「心因性」って言ってるけど、心因性のものをどうにかしてみたところで治らないんでしょ。それって本当に心因性かどうか科学的に分かってますか??病名はあるけど、なんとなく「精神科医に手に負えない症状を類型化してみました。こういう人がたくさんいるんです」って感じに思えるんですけど…。この病気にラベリングされてる人の中からいきなり新規の病気が発見されても全然驚かないです。症状にも共通点はあるし、実はこの病気だと診断された人が、後で繊維筋痛症だったとか、低随液圧症候群だとか、慢性疲労症候群だとか言われても違和感がありません。素人判断ながら、この病気だとラベリングをするのってどう考えても最後の手段だと思うし、他の病気を併発することもあるって書いてあるし、この病気だけだと診断して他の病気の可能性を排除することに意味があるとは思えません。

うつ病が長引いてるとか、うつが身体症状に表れるいわゆる仮面うつ病と片頭痛と緊張性頭痛との合併症とかって可能性もなんで考えて問診してくれないんだろう…。

もう、プレタポルテのお洋服を着せるみたいに「身体化障害」って判断したら、その後は何にも考えずに「ストレスを解消しましょう」、「(治らないから)早くこのままの状態で社会に復帰しましょう。休んでいても駄目です」ってそれだけですか?オーダーメードで、「他の病気の可能性がないかな。この患者は実は身体化障害っぽく見えるけど、実は違うかもしれない。少し違ったうつの形態なのかも。問診をしてみよう」とか思わないわけですか。

キーーッ!!!!

まあ、そんなわけで医療はオーダーメードであるべきで、プレタポルテであるべきではないと思うんです。その後、「このままじゃ自分はダメになる」と思って、医師を変更しました。今度の医師は断言したりすることもせず、私が医師にはよく分からない症状を口にすると「どういうことかしらねえ?」と一緒に考えてくれます。前に紹介した本にこのようにあるそうです。

pp.175 わかっていないことについては、わかっていないとちゃんと教えるべきなんです。その線引きを曖昧にしてはいけません。

「分からない」、そう言ってくれるだけでこの医師は信頼できるなあ、と思います。お薬は効いているのか、どんな症状があるのか、きちんと問診もしてくれます。医師を変えて、やっと症状が快方に向かうようになりました。よかったです。以前の医師に通っていたとき、夫は私がその医師に会いにいくたびに症状が悪くなって行くように見えた、といいます。あのままだった、そう考えると怖いです。

投稿者 michy : 2006年02月24日 09:30 : 健康、医療 |    

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コメント

TB、ありがとうございます!
本をご紹介くださり、感謝です。

今後もよろしくお願い申し上げます。

Posted by: 竹内薫 : 2006年02月25日 14:45

わざわざコメントありがとうございます!
本、さっそく買いました。おもしろいです!

Posted by: michy : 2006年02月27日 18:43

なんだ、知ってたんですね!

>すごくこの病気や病名に違和感を覚えました。…
これがまさに身体表現性障害です。
認めた患者は治っていく、認められない患者は治らないというトンチのような病気です。

>この病気にラベリングされてる人の中からいきなり新規の病気が発見されても全然驚かないです。
上記診断が受け入れられないのであれば、一生懸命病気探しをしていただければ良いかと思います。きっといつか見つかるはずです。まだ見つかっていない新しい病気があるはずだと私も確信しています。それでは、good luck!

Posted by: : 2007年03月30日 11:58

>ロボトミー手術にその根拠がなかった

いやー
これは少し違うかも
この断定こそ根拠がないです。

Posted by: : 2007年03月30日 12:00

うつ病が長引いてるとか、うつが身体症状に表れるいわゆる仮面うつ病と片頭痛と緊張性頭痛との合併症

うつ病と身体表現性障害の合併はありうる。
偏頭痛etcと鬱病の合併は相当な確率でありえない。

少なくとも、科学的に言って、身体表現性障害の可能性は非常に高いでしょう。(心因性の疾患も十分科学的な解釈ですよ)

それでは、good luck in your life

Posted by: : 2007年03月30日 12:05

>>名無しさん
そういう反応をされるだろうなあ、と思っていました。(と、私が反応をするだろうなあ、と名無しさんも思われていた、と思います)

念のため、お分かりとは思うのですが、このエントリでも、他のエントリでも理性では私が身体表現性障害の可能性があることも、身体表現性障害が存在することも否定しているわけではないつもりです。(感情は統御できなくてよく分かりません)

また、今かかっている医師(変更したと書いている医師。前の医師と同一病院勤務)は病名を告げない医師ですが、それは私が身体表現性障害だと判断しているからそう私に接しているんじゃ、と言われればそうなのかもしれません。そして、それはそれでいいや、と思いますし、その医師が傲慢だとは思いません。(私が、個人を「傲慢だ」と思いたくないから医学の一部分に対して傲慢さを押し付けている面があるのかもしれません)辛さがなくなれば病名も原因もどうでもいいし、考えても仕方がないことだと思っているので。

「科学的に心因性だと分かってるか?」というのは、今読めばよくない表現ですね。ここでは「それが絶対正しいことだと分かっているか」と言いたくて書いた記憶があるしのですが、科学が万能でない、と書いているのは自分なのに、絶対であることを求める表現をするのは矛盾です。削除します。

で、そのうえで、

>>これがまさに身体表現性障害です。認めた患者は治っていく、認められない患者は治らないというトンチのような病気です。

もちろん、医学がそう考えていることは分かっていて、だからこそ、「そう考えてれば医師は精神的にとても楽だな。この病名に溺れる医師はたくさんいるだろうなあ」と思って悲しくなります。治らないのは患者が自分の話を受け入れないせい、と考えていればいいわけですから。この病気を名付けたor発見した人がどうのこうのではなく、この病名は医師が簡単に溺れられる病名だな、と思ってます。

何でかというと精神的でも肉体的でも体調不良はストレスを産むもので、ストレス過多におかれればこういう反応をする人は多いと今までの経験上思うので、簡単に相関関係と因果関係を間違えられるなあ、と思うからです。

>>>ロボトミー手術にその根拠がなかった
>>いやー
>>これは少し違うかも
>>この断定こそ根拠がないです。

言われればその通りですね。利益より害悪のほうが多かったと現在考えられている、というのが適切かな、と思います。訂正します。

>>偏頭痛etcと鬱病の合併は相当な確率でありえない。

これは何故かお伺いしてもいいでしょうか?素人考えでは、「そりゃ、片頭痛がひどければ憂鬱になって鬱病になることもあるだろうし、片頭痛の原因はストレスだっていうし鬱病がひどければ片頭痛になることもあるだろうなあ」と思います。そういうのは医学的には「合併」とは言わない、というだけでしょうか。それとも、その頭痛は心因性だと判断され、器質性であることを否定される根拠があるのでしょうか。

Posted by: michy : 2007年03月30日 15:54

私は内科の医師ですが、ここに書かれている内容は、その通りだなあと思いますよ。
しかしまあ、それは、医療の問題と言うより、医師個々の資質の問題かなあ。
無能な医者ほど病気をパターン化したがる(有能な医師は患者個々に合わせて治療を最適化する)し、共感能力のある医者もない医者もいるし。
ただ、正直言って、外来診療(特に内科系)は、大病院だと3時間で30-60人とか診察するわけで、一人あたり数分しか時間をかけられないわけで、その中でも病気の重い軽いがあって、正直命に関わらない病気の場合はそれほど時間をかけられないと言うのが現実です。
まあ精神科は内科系よりはかなり患者数が少なく、まだ一人あたりの診療時間が取りやすいようですが。
また、一方、診察時間が十分取れる開業医などは、診療能力そのものに疑問がある場合も多く(逆に優秀な開業医はやっぱり患者が多くて一人あたりの時間が取れない)、共感はできても病態の把握ができなかったりします。
ということで、ここのブログ主の様な患者さんの要望を満たすには、現在の日本の医療体制を見直すが、自由診療にするしか手がないようにも思います。日本の医療は、産科医療や小児科医療に象徴されるように、一杯一杯まで伸びきった状態で余力がないというのが現状です。まあ私自身は時間の許す限り患者個々人に満足していただける医療を提供したいと考えていますが、やはりいつも十分な時間はとれないのが難しいところです。

Posted by: ななし : 2007年07月16日 04:47

>>ななしさん
基本的に私は「問題がある」ってことを提示したかっただけで、すぐに簡単な解決方法が見つかるとは思ってません。問題解決の第一歩は、「問題がある」って認識することだと思ってます。そして、いたずらにただ騒ぎ立てず、極論に逃げず、「言っても仕方のないこと」と議論を避けることをやめたいです。

そのうえで、私も個々の資質に依存するとは思ってます。ただ、医師個々の資質にあまり依存しない、ことを目指したのが科学なり西洋医学だと思っていて、かつ、少なくとも日本で私が接するメディアでは日本の医学が医師個人の資質の問題を扱っているとは思えないので、「個々の資質依存する」と言うなら、まず公にそれを認めて欲しいなあ、と思います。

現在の医療の抱える問題は、まさにおっしゃる通りであることは分かっていて、だから私は「病院に行け」と言われるたびに苦痛がはしります。それはわけのわからない病気に相対することによって医師に苦痛を与え、私より治るかもしれない他人の時間を奪い、保険料として納められる他人のお金を奪うんですよね…。

だから、自由診療なり、保険外診療がもう少し広がって欲しいなあ、と思います。そうすれば、少なくとも他人のお金は奪わなくてすむので…。しかしながら、自費の病院は世間にも医師仲間にも「お金持ちのため」と思われたりするでしょうし、お金を心配をすると治るものも治らないのも分かっているので難しいところがあると思います。そこはNPOなり寄付なり、社会制度の整備なりでなんとかできないかと夢想したりはするんですけど。

…ただ、私も病院に行くたびに検査なり、他科なり、お薬なりをいつもかなり勧められたり、悪いときには脅されたりしてしまい、断るのに四苦八苦し、そのたびに「今の制度と医師が病気を作ってるんじゃん」と思うことがあるのも事実です。

時間がないから「この患者には本当にこの処方でいいのか。そもそもお薬を出すべきか。検査をするべきか」ということを対話をもとに吟味したり、説明をしたりできないのは理解できるんですが、検査をするのも、他科に行くのも、薬を飲むのも、どれも精神的に、肉体的、金銭的にダメージがあることで、「下手なことをすれば、それが病気をつくる」って観点があるのかどうか謎に思ってしまいます。

肝心で時間をかけるべきなのは悪化させるかもしれない「治療」じゃなくて、その手前の「診断」をいかにするかだと思います。診断のきちんとしない治療はギャンブルとも思えます。そして、治療をしながら診断も変わっていくものであって…。

国民皆保険は理念としてはとても素晴らしい制度ですが、医師側のモラルと患者側の医師のモラルや医学に対するそれなりの理解がないと成り立たない制度で、もう破綻しかかっていると思ってます。

Posted by: michy : 2007年07月23日 12:35


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