「DZ」小笠原慧
ミステリが読みたい気分だったときに、近所の本屋の「オススメ文庫本コーナー」のようなところで発見して、帯の言葉に惹かれて買いました。
帯は「伏線の張り方があまりに見事!どんどん加速するジェットコースターのような面白さです。文庫担当者オススメ。最初の混沌から一つの筋に物語が収束する様は圧巻の一言。本物嗜好の読者をうならせる極上のミステリだと思った」とあります。裏書きには「人類という種が背負った哀しい宿命を、壮大なスケールで描いたヒューマン・ミステリ」とあり、横溝正史賞正賞受賞作、とのことです。
横溝正史賞受賞作は結構好きだし、「伏線の張り方が見事」とか「本物嗜好の読者をうならせる」とかにものすごく惹かれました。
読んでみてものすごくおもしろかったのです。
しかし、「伏線の張り方が見事」とか「本物嗜好の」とか「ヒューマン・ミステリ」なのかは少し謎です。どちらかというと、サイエンス・ミステリじゃないのかなー、と思いました。方程式を解くように、ちりばめられた謎が収束して解かれていきます。謎の内容や犯罪の動機が先端のサイエンスを扱ったものなので、ミステリ好きでも医学や生物が苦手で興味のない人にはまったくオススメできません。
著者は東京大学哲学科中退で京都大学医学部卒の現役の精神科医とのことで、そこに興味を惹かれる人なら読んでみて損はありません。ここまで、きちんと科学科学して、謎解きにまで科学を用いたミステリはなかなかないよな、と思って、すごく気に入りました。ある意味、読みやすい新説の論文っぽい趣もあります。
また、舞台の一つに重度障害児施設が出てくるのですが、そこでの重度障害児の症例などにはかなり考えさせられました。
ラストがなんともいえず好きです。
医学、理系ミステリ好きは、読んで損はないです。











