ソニー・SCEの移転価格税制問題に関する報道

Posted by michy on 6月 30, 2006 in 時事

Yahoo!で「ソニー申告漏れ」というようなニュースを見つけたので、少しびっくりして読んでみました。
そしたら、ただの移転価格税制を巡って国税と見解が相違していて、でもソニー・SCEの取り分がどうという話ではなく、日本政府とアメリカ政府の取り分がどうという話なので、ソニー・SCEは国税に「アメリカと話をしてよ」と言ったというお話でした。移転価格税制については、私も詳しいことはイマイチ…なのですが、移転価格税制の仕組み(図解)こんな感じで、商品の「どんな価格なら適正価格か」って決めることがすごく難しいようです。最近では、武田薬品、三井物産、三菱商事、マツダなんかが国税から同じようなことを指摘されていて、たいてい争っています。
「ただの移転価格税制の話なのに、『申告漏れ』って報道ってなんかヤか感じ〜。これだから報道ってキライなのよ」と思って、色んな新聞の題名を調べてみました。
「ソニー、744億円の申告漏れ 279億円追徴」(読売新聞)
「ソニー、744億円の申告漏れ 279億円追徴」(産経新聞)
「ソニーに279億円の追徴課税 移転価格税制を適用」(朝日新聞)
「ソニー、移転価格税制で279億円追徴・異議申し立てへ」(日経新聞)
うーん、読売、産経は私としては論外で、朝日はなかなかまともなものの、私の感覚に一番近いのは日経です。日経だと題名だけで「ああ、ああ」ってながせるけど、他のは「え?」と思ったり、何も知らない人にはすごい誤解を抱かせそうです。見出しで読ませる週刊誌じゃないんだから、と思ってしまいました。
ところで、今回の話って中身の記事を読んでみると、主に「99〜04年度のSCEと米国子会社とのゲーム事業の取引」について国税は問題視しているみたいで、なんだか疑問がわいてきました。
「99-04の米国子会社とのゲーム事業の取引」ってことは他の小会社とは問題なかったってことなのかしら。もう少し金額の安い追徴額の「03〜04年度のソニーと複数の海外子会社とのCD・DVDディスク事業の取引」では「複数の海外子会社」ってなってるから、なおさら疑問です。
他の小会社には国税的に「適正価格」で、米国小会社だけ安く卸していたとしたら、普通他の小会社からクレームが出まくりだと思うんだけどなあ。何で「米国小会社」だけなんだろう。

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5 Comments

  • 西村 より:

    移転価格税制関連の報道については、
    僕も、B級な意図を感じますね。
    税金のがれ系報道は
    すべからくそうですけど。

  • michy より:

    税金系報道がそうなりがちなのはどうしてなんでしょうね。リークをもらうために情報元に配慮せざるを得ないのか、それとも「儲けてるのに税金を納めないなんて!」という読者を満足させるためなのか気になります。
    NHKの情報料とかはあんまりそういう感じは受けない気がするんですけど、気のせいかなあ。

  • チビ山部 より:

    税務に携わっている者です。
    皆様、税務には素人ですね。
    移転価格の歴史は20年になります。
    日本でどのように制度がはったつしていったのかをもうちょっと勉強してみてはいかがですか?

  • michy より:

    素人が読むような新聞は、素人に分かりやすく書くことが責務だと思ってます。なので、何をおっしゃりたいのかちょっとつかめません。「素人ですね」と言われても、もとからそう言ってるし、玄人しか議論してはいけないような領域に踏み込んだ覚えもないのですが…。
    応用のできない知識だけはあるので、曖昧に「日本でどのように制度が発達していったのか、もうちょっと勉強してみては」と言われても、ポイントがしぼれなくて「もう既に私の知っているけど応用できてない知識を分かってないと思って言っているのか?まったく知らない知識のことを言っているのか?」と困惑してしまいます。
    せめて、どの部分について知識不足だと感じたのか指摘をしていただけると嬉しいのですが。

  • fragro より:

    初めまして。
    随分以前の日付の記述に対してですので、
    差し障りなどおありでしたら削除なさってください。
    疑問に御感じになった点から、
    私見を以下の通り書かせてください:
    >他の小会社には国税的に「適正価格」で、
    >米国小会社だけ安く卸していたとしたら、
    >普通他の小会社からクレームが出まくりだと思うんだけどなあ。
    >何で「米国小会社」だけなんだろう。
    関連当事者のデータを詳細に見ないと何も断言はできません。
    ただ、考え得るのは以下の2点です:
    1. 「米国子会社」のみが他の子会社とは異なる機能を果たし、
      他の子会社とは異なるリスクを負っていた。
    2. 国税側が用いた比較対象企業群の利益水準レンジにおいて、
      「米国子会社」だけが外れていた。
    1.についてです。
    移転価格税制の考え方の中には、
    かいつまんで申し上げると以下の2つのポイントがあります:
    A. 機能(例えばマーケティングとか技術開発とか)を果たしていれば
    相当の利益を得ていてもOK。
    B.リスク(例えば在庫を抱えるとか、為替リスクとか)を負っていれば
    相当の利益を得ていてもOK。
    2.についてです。
    国税側は、
    「本邦企業と海外の関連当事者との間の利益配分」が
    ” 適正”であるかを論じたがります。
    民間企業にとっては大きなお世話に過ぎないハナシですが。
    これを診断するにあたって、
    国税側では以下の2つの手段を用いてきます:
    A. 企業側が提出してくる財務データを元に、
    費用の負担によって利益の配分の善し悪しを推し量る。
    B.市販のデータベースを利用して抽出した
    類似性がある企業群により計算した利益指標のレンジ
    (四分位レンジがよく用いられます)をあてはめる。
    長々と申し訳ありません。
    既に御指摘の通り、
    マスメディアは移転価格税制の運用
    (例えば国税側の意図や税務調査対象の策定手法など)についても、
    実務の詳細(例えば移転価格の実際の算出方法)についても未だに酷く無知です。
    ほぼ国税のリリースを垂れ流しているというのが実情だと思います。

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