2006年08月28日
「黒い家」貴志祐介
「ミステリの需要」で書いたとおり、とあるスレッドでおすすめされていて、あまりに私のツボだったので買ってしまいました。
が、買ってからすぐに後悔。夫に「もう表紙だけで怖い。裏表紙の粗筋の第四回に本ホラー小説大賞大賞受賞作っていうのも更に怖い。レーベルが角川ホラー文庫っていうのはもうギリギリ」と泣き言を言ったら、「何で買ったん?」と言われました。…それを聞かれるとツライのですが、それを乗り越えたところにおもしろさがあるかな、と思って。ちなみに、夫はそもそも表紙のどこが怖いのかすら理解できなかった模様です。もうこの黒に、影絵があって、しかもちょっと血の色っぽい赤が入ってるって十分怖いでしょ。この怖さが分からないなんて!
ただ、ホラーとはいってもミステリ板で勧められていたホラーなので、同じ文庫から出ている「リング」や「パラサイト・イブ」のような現実離れした感じは全くなく、現実に基づいてるがゆえの怖さが基本です。
1997年刊行なので、少し昔のものになりますが、生命保険会社に勤めていた著者が生命保険会社をベースに書いた物語だけあって臨場感は抜群です。生命保険会社は高給取りだという噂は聞いていましたが、その裏にはこんな事情があったとは…、と覗き見気分を味わいながら読みました。生命保険会社社員のかたの苦労はよく考えれば分かることなのですが小説の形式で実際に書かれると感じ方が違います。
精神病(?)ものっぽいところもあり、そこが私が惹かれた箇所だったのですが、昔のものだからか著者の専門ではないからか、少し時代遅れの解釈であるようなところも否めません。私には、ユングやフロイトの精神分析ってすごく昔で非科学的なイメージがあります。ただ、そこも「昔の本だから」と割り切って読めば、根底のテーマ時代は今でも考えるべき普遍的なことだと思います。読み終わった後に、「うーん」と悩んでしまいました。
ミステリとしては犯人は結構すぐに分かりますが、犯人が捕まるまでとか生保会社の描写や精神系の描写が詳しくて最後までドキドキしながら読めます。私も最後まで一気に読んでしまいました。社会派ホラーものや「羊たちの沈黙」ちっくな話が好きな人は楽しめる、と思います。
ただ、怖かったので夢の描写と虫の描写は飛ばしました。ホラーとしての要な気がしますが、読むと夢に出てきそうで怖かったんです…。へたれでごめんなさい。
投稿者 michy : 2006年08月28日 09:23 :
本や雑誌
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