分子生物学に対する興味
「さすがに買い過ぎた」にM13さんから頂いたコメントに返事しようとすると、長文になりそうだったので、エントリをたててみます。
他分野からみた分子生物学ってどのへんがおもしろく感じるものなのでしょうか?
数学や物理はコムツカシイ数式を理解した瞬間なんかが至福の時なんでしょうが(イヤ、ワタクシは数学オンチなのでテキトーに言っているのですが。)分子生物学の教科書で「DNAはこうなっているのですよ」と言われ「なんで?」と疑問に生じたら原著にあたる必要にせまられて、意外に独学に向かない学問ではないかなぁと常々思っておりまして。(以下略)
分子生物学に対する興味は、やっぱり、「自分の身体に影響することで、どうやら最近研究がさかんで新聞でもいろいろ見かけるのに、自分ではよく分かっていない」ってことが根本かな、と思います。自分に関係あることなのに、新聞の通り一遍の文句を参照するしか出来なくて、その発見や何らかに対して、自分としてきちんとした評価を持てない、その評価をするだけの知識すらないのがなんだか我慢出来ないです。
独学に向くとか、向かないとかはあんまり関係ないです。確かに、分子生物学は新しい学問なので、なんとなく易しめの本は比較的少ないかな、と思うんですけど、だからこそ、闘争心を刺激されるというか、いい本を探したり、わけがわからないところを探索するモチベーションになります。
もともと、自分が分からないものに興味を惹かれるほうなので、困難はむしろ興味を増長する気がします。私が美術や音楽が好きなのって、たぶん、私にはよく理解できないからだと思います。私にとって他のものよりは簡単に理解できてしまう数学や物理がそのためにつまらなく思えたときもありました。
法律への興味も根本は一緒で、日本は法治国家だからその日本を統制しているもののはずなのに、きちんと知ってる人が以外に少ない分野なので興味を持ちました。暗記は苦手だし、難しい漢字を覚えるのも苦手だし、難しい日本語読むのも嫌いだし、何でいろんな説がいっぱいあるのか腹がたってきたし、自分には向いていない科目だとは思ったのですが、ゴシップ好きだったのがよかったのか判例を読むだけで楽しかったのでなんとか続けることができて就職もできました。
分子生物学の本を読んでて楽しい瞬間って、専門のM13さんに言ったら怒られるかもしれないのですが、「結局、現在分かっていることや出来ることはこれだけの限界がある」って分かったときかもしれません。
なんだか新聞を読んでると、ヒトの遺伝子情報が分かれば、そこから何でも分かるかのように書いてあるように読めるときがあるんですが、同じ遺伝子疾患でも発現する場合としない場合の区別はあまりついていないとか、遺伝子からたくさんの種類のたんぱく質が出来て、そのたんぱく質の働きは実はまだよく分かっていないとか、逆にここまでは確かにこういう実験で確かめられているとか、そういう限界や根拠が分かったときはなんだか嬉しいです。
なんとなく、今って遺伝子万能主義に陥りがちな時代だと思うので、そこに陥らないように知識を得て自分をコントロールしたいという感じでしょうか。
後は、ありきたりですが「生命の神秘だなー」っていう遺伝子の仕組みとかを知ったときもおもしろいです。
他には、結構色んなミステリやゲームにさりげなく使われていたりするので、それが分かったときもいいです。メタルギアソリッド2の「歴史のイントロンにはなりたくない。いつまでも記憶の中のエクソンでありたい」っていう言葉がわかったときは嬉しかったです。
ちなみに、今、分子生物学系の本を読むときに一番難点だと思ってるのは、私がちょっとリアルになった人体の神秘系の写真や絵がかなりダメなことです。ふっと開いたページが私にとってはグロだった瞬間は、「もうこの本を読まないでおこう」と思わせるに十分です。PowerPointで簡単に描けそうな模式図あたりまでなら大丈夫ですが、頼むから染色体をリアルに描こうとしないで!写真なんて間違っても載せないで!と思ってます。昆虫系も苦手だったりするので、遺伝子からみた進化とかも読む前には注意が必要です。生物の教科書は私にとって鬼門で、かなり糊付けしたページがあります…。











コメントへのレスがないので「こりゃ引いちゃったかな?」と思いきや
エントリーがたってびっくりです。
>その評価をするだけの知識すらないのがなんだか我慢出来ないです。
なるほどーこの辺りなんだかmichyさんらしいですね(いえ、blogから感じる印象ですけど)。怒るなんてとんでもないことで
>結局、現在分かっていることや出来ることはこれだけの限界がある
というのはむしろ研究者のモチベーションでもあるのです。「わかってないんだったら自分が解明しようじゃないの」みたいな。
新聞発表は現場との温度差ありますね。元の論文を読んで「そこまで大風呂敷ひろげていいの?」と思うことしばしばですし。知人は研究結果が新聞に載ったことあるのですが取材で自分が話したことにかなり尾ひれがついてたと言っていました。まぁ新聞記事に言ってないことが載るのは芸能人のゴシップ記事同様、新聞の宿命なのでしょうか。。
かといって新聞の科学記事を全面的にくさしてるわけでもなく、やっぱり漠然としたものでも知的好奇心をくすぐられたり満たされるというのは大事なことだと思いますので、それなりに必要だと思います。立花隆はワタクシ的には別に知の巨人とは思いませんがそれでも「科学はなんだかすごいですよ」の啓蒙活動は評価しています。
>「歴史のイントロンにはなりたくない。いつまでも記憶の中のエクソンでありたい」
へー。言わんとしてることはわかりますが自分ではとうてい思いつかない比喩ですね。おもしろいですね。日常扱ってるがゆえ、想像を含まらせる余地がないのかもしれません(うーん、なんていうんですかね、例えて言えば車修理工のアンちゃんにとってのタイヤやエンジンみたいに、現実としてそこにあるものとして(もちろん眼には見えませんが)捉えている感じ。。かな?)
>頼むから染色体をリアルに描こうとしないで!
そうなんですか。分子生物学ではモデル図を簡略に描く傾向がありますが
ワタクシ的には簡略化しすぎでもっとリアルに描いた方がいいのではという考えでしたが。。そういうユーザーの御意見参考になります(笑)。そういえば新学期に新しく生物の教科書や資料集が配布される度に虫がでてくる箇所を塗りつぶすという女友達がいたことをmichyさんの逸話で思い出しました。
くだらないコメントに長々とお返事を書いてくださってどうもありがとうございました。
ちょくちょく倒れたりしているのでお返事が遅れることがあります。特に考えながら返答しないといけないコメントにはその傾向が強いです。スミマセン。
法律屋だと「目の前にあるから使う気にはならない」ってことはなくて、むしろ一般の人より日常で法律用語を使ってる気がするのですが、バイオではあまりないのでしょうか。実際に実在するからですかね。エキソンとイントロンっていかにも使いやすそうな台詞なのですが。(夫も何かで読んだらしく、「へー。あれはそういう意味だったのか」と言っていました)
実際よりあえて簡略化して描くことで、大切な何かを失っている気はするのですが、リアルは私には耐えられません…。脳内のバーチャルな世界で生活させてください。
今回買った本はちょっとリアルで「失敗した」と思いました。でも、ミステリの猟奇殺人描写には耐えられるようにはなったので(映像やイラストは無理!)、死ぬまでには染色体くらいなら平気になるのかもしれません。昆虫は絶対に無理です!
「ガーデニングをやりたい」と一度会社の同僚(農学系出身)に相談してみたことがあるのですが、「虫がイヤ」といったら「ほとんどダメです」と言われました…。ガーデニングをやってる主婦って強いな。
>ちょくちょく倒れたりしているのでお返事が遅れることがあります。
あっいや、決してムリをなさらずお体ご自愛くださいませ。
michyさんのエントリーはいつもおもしろいのですが
さすがに「男子校・占い」はワタクシ的にはちょっと。。
いろんな世界があるんだなと少し視野が広がりました(笑)。
> 「歴史のイントロンにはなりたくない。いつまでも記憶の中のエクソンでありたい」
批判をしたりしているわけではないのですが、もし気分を害されたらお許しください。
この言葉だけを読み返しているのですが、私にはやはり理解できませんでした。
というのも、「記憶の中のエクソン」という言葉と、「歴史の中のイントロン」という言葉は対になっていないですよね。歴史の中のイントロンでも、記憶の中のエクソンであることは常にあることですし。
イントロンはイントロンなりに大事ですよ。と言いたいです。
>>たださん
この台詞だけ書くと確かに分かりにくいかもです。スミマセン。
新聞でチラっと読んだ限りでは現在はイントロンにも意味があるとの研究成果があがっているように思うのですが、この言葉が書かれた2001年当時は「イントロン=無意味」という理解だったのではないかと思います。
また、この台詞は自分勝手な敵役が言ったものなので、「歴史のイントロンにはなりたくない」というのは、彼の勝手な意見です。そして「記憶の中のエクソン」というのは、たぶん、「歴史の記憶に残るエクソン」という意味ではないかと思います。