2006年10月20日
医療崩壊についてブログメモ
医師批判ばっかり書いている気がしたので、医療崩壊についてのメモです。
基本的に私の医師という職業に関する考え方はこんな感じです。弁護士と医師という職業は似ていると思っていたのですが、ふぉーりんあとにーの憂鬱:弁護士とコミュニケーション・スキルを読んで「思ってたのは私だけじゃなかった!」と思いました。
私は、医師だって人間だから間違えることもあるし、そもそも医師が医療行為の結果についてすべての責任を負えるわけではないんだから、責任を負えないところについては、きちんと説明し患者に選択させるのが重要だと思っています。確かに、医師にとっても患者にとっても手間ではあります。患者側は何も考えずに医師にすべてをゆだね、何か起こったらすべて医師のせいにするというのもある意味、楽かもしれません。しかし、医療が高度化してきた昨今、そのような状態は医師に負いきれない過剰な責任を求めているだけだと思います。
私も仕事では「部門として責任をとれないことを言うな。きちんとした部署に確認すべし」と考えています。いきすぎるとビューロクラティックになりますし、加減が分からなくて、まだ間違ってしまうことがありますが、人間が完璧でなく「ヒューマンエラー」というものが存在する以上、重要なことだと思っています。
「カポジ水痘様発疹症と、人による感覚の違いと、医師という肩書きの意味」のコメント欄より
新小児科医のつぶやき:その日が来たか・・・を読んで、医師にこういう行動をとらせるほどに過酷な結果責任を要求するのは間違ってると思いました。その後も詳しく展開しているようですので、興味のあるかたはぜひ。
また、天漢日乗 : 「死産」を届け出たら「業務上過失致死」? 産科医をやめますや医療崩壊が産科から始まってしまった [ブログ時評59]でも、他にもいろいろな医療崩壊に対する問題を提起していますが、死産で刑事責任の追及や損害賠償の請求をうけるケースというのが共通して気になりました。
404 Blog Not Found :99.9%は有罪-ドキュメント検察官の「主であるはずの市民は、法を通じて行政を支配するよりも、ただただ行政に正義の実現を求めているようにも見える」というあたりに通じるものがあるのかなあ、と思いました。
また、逮捕はともかく、損害賠償についてはアメリカみたいに「じゃあ医師保険を!」という解決もアリな気はしますが、根本的解決なのかどうなのか疑問です。医師側の説明と患者側の勉強があわされば少しはマシだと思っているのですが、どうなんでしょう。
そんなこんなで産科医が少ないという危機的状況なのに、マスコミなのか警察なのか検察なのかは看護師による内診行為の違法性をやたら問題にしたりしていてびっくりです。(新小児科医のつぶやき : 看護師による内診行為の違法性によると看護士による内診行為が違法かどうかは法律はよくあることに曖昧で「違法です」と言ってる通達が存在するのみらしいです)そんなことより他にやることがあると思うんですが。しかも、それは本当に医師だけがすべき行為なのでしょうか。どんな状況でも?
(061021)はてブで指摘されたので検索したら、医師保険は既に日本でもありました。
→「医師・歯科医師・薬剤師・看護師・病院・ 薬局向け賠償責任保険」
他にも同じような保険が多数あります。
上記のページによると基準はやや厳しそうなものの学会や医師会の保険もある模様です。
保険があるけど、みんな産婦人科はイヤだってことは、そもそも逮捕されちゃうとか、保険の使い勝手が悪いとか、保険支払いの基準が厳しすぎるとか、保険料が高すぎるとか、保険をもらっても割にあわないとか、マスコミ報道による風評被害とか、そこらへんが問題なのかな、と思いました。
その他、適当に検索してたら、国がまったく逆のアプローチをしているのを発見しました。
→お産の事故に「保険」制度 産科医不足解消ねらい厚労省
そうくるとは!まったく予想できませんでした。これについては、404 Blog Not Found : 善意の値段の、日本での新生児死亡率の低さと諸外国の高さを考えて、今後の医療費の増大を鑑みると「そんなお金どこから出てくるんだろう」という謎に突き当たれます。
…命の値段って考えるとはてしない問題ですね。答えがでません。
投稿者 michy : 2006年10月20日 21:04 :
健康、医療
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コメント
医療崩壊ー地域医療の崩壊は、今国民的な関心になっていると思いますが、わたしの知人の開業医の先生が最近、このテーマで執筆されています。
この本によると、その崩壊の主な責任は、医療行政の問題にあると指摘しています。つまり、医療費など年間2200億円削減のしわ寄せを、地域の医療現場に押しつけているとのことです。
このような、一開業の方々を含めて、現場の医療関係者から様々な議論が巻き起こってくることを期待したいところです。
『医は仁術か算術か―田舎医者モノ申す』(定塚甫著・社会批評社・1500円)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/80-9.htmPosted by: 堀口舞 : 2008年10月04日 15:33
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