2006年10月31日
「極東学園天国」日本橋 ヨヲコ
「極東学園天国」と「プラスッチック解体高校」の感想は何度も書こうと書こうと思っていたのですが、思うことがあり過ぎて書けずにいました。「感想を書こう」と思って読み直すものの、一つの話の中であまりにいっぱい感じることがあるのと、読むたびに新たに考えることがあるので、「それの整理を」と思ってるうちに考えが溢れ出して収集がつかなくなって、また読み直してしまいます。
今日もまた同じようなループで読み直していたのですが、3巻あたりをなんか読んでるうちに、「そうだよな。行動をおこしてこそ意味があるし、人間って成長があるんだよなあ」としみじみと思ったので、感想というか、現在感じていることを書き留めることにトライしてみたいな、と思います。
弟が来たときにいろいろ漫画を勧めたのですが、そのときに勧めた一冊を読んでるときに、「これって読みながら考えさせられる漫画?疲れたときにそういう漫画ってツライんだよなー。姉ちゃんが勧める漫画やからおもしろいんやと思うんだけど」という趣旨のことを言われました。本というのは読む気分を選ぶものだと思っているので気持ちはわかるし、私も疲れたときに読むバカ漫画は格別の素晴らしさがあると思っています。
しかし、心に響く漫画をずっと探しているもののあんまり出会えない私としては「自分の価値観を揺さぶられない漫画って読んで楽しい?」と返してしまいました。バカ漫画にはバカ漫画なりの、なにか考えさせられることがある気もするので、そういう趣旨からも何も感じない漫画って私は読んでるかなーと思ったりもするし、それ以上に、この「極東学園天国」みたいな漫画が未読状態であれば、ほぼどんな気分のときでも読めるなあ、と思ったりします。弟は「疲れた」といいつつ、私の説得(?)に心を動かされたのか、「銀の金」を全巻読んでゆきました。今コンビニに並んでますが、福本伸行の本で「天」(麻雀が分からないため途中で挫折なので読んだには入らないかも。このために麻雀を勉強しようとPS2ソフトを購入したが、プレイしたことは一度もない…。どこかに麻雀入門漫画はないものかと探索中です)、「カイジ」と読んだ中では一番好きです。
私は、人の美しさって、自分の醜さや至らなさや不甲斐なさに直面して、それでもより良くありたいと、足掻いて、もがいてるところだと思っています。永遠に届かないことを知っていて、それでもそうでありたいと願いながら、あがく人間って本当に美しいなあ、と思います。日本橋ヨヲコの漫画はそういう「あがく人間の美しさ」というようなものが表現されていると思います。そして、私はその「あがく人間の美しさ」というのを、「極東学園天国」に一番強く感じます。(「プラスチック解体高校」も基本的に同じ感じなんですが、アチラはどちらかというと、私としては「愛を知る」ってことがメインかなー思います)また、「あがく」って簡単なことではないし、ものすごくツライと思うんですが、その「あがく」ことのつらさや人の弱さもうまく表現されているなあ、と思います。
「あがく」前提として、私は「現状を受け入れる」、「ダメな自分を認める」ってことがあると思うのですが、その描き方も上手だなあ、と思います。私は、今の体の状態はやっぱりツライし、それなりに器用に生きてきたとは思うものの、「あっちを選んでいたらな」や「もっと早く始めていればな」って思うことはたくさんあります。「東京に生まれていたらな」とか。でも、そういう苦悩や今まで経験してきたことを含めて自分だと思うので、「あのときに戻りたい」とか「人生をやり直したい」とかはあんまり思いません。もう一度大学に通ったら楽しいだろうなあ、とは思うけど、それって「今の自分」がもう一度大学に通うから楽しいのであって、「大学生時代の自分がもっと勉強をしていたらなあ」とはあんまり思いません。今の体も不自由だなあ、と思うけど、それも含めて自分のアイデンティティだと思います。…なんかそういう「現状を受け入れた」うえでの、「あがき」をこの漫画からは感じます。
そして、「いいなぁ」と思うのが、そのストーリーを彩る台詞です。台詞自体も心に染みるし、とてもいいのですが、あのストーリー展開で、あのタイミングで、あのコマ割で、あの絵で表現されるからいいんだなー、と思います。だから、ただ単に台詞を書き出す行為では、魅力を10分の1も表現できないと思うのですが、それでもニオイは感じるのではないかと思うので、大好きな台詞を抜き出してみます。
「いやだなあと思うこと そのままにしてたら たましいが 腐るから」
「とーちゃんが言ってたんだ 女の人を笑わせておけたら一人前だって」
「知識ってのは人にやさしいんだって だから人は勉強するんだって 人の役にたてて 初めて学問になるんだって」
「マジメというのはほめ言葉ではない 生きにくいということだ きれいにまっすぐ生きていけないと気づいた時に 酒に飲まれるのさ」
「酒よりうまいものを知ってるんだろう?」
「この世でいちばん悲しいのは 気持ちが伝わらないことだなあ」
「たかが絵で 人生は変わるよ」
己の身のほどを自覚して 凡人であることを肝に銘じて オレは何者でもなく生きる
誰かに用意された道には何もない
読みながら書き出していたら、たくさんになりました。やっぱり、いいなぁ。一つの台詞で簡単に一エントリ書けそうです、
どうでもいいですが、この作品では私の大好きなキャラクターである城戸信長の眼鏡というか、ゴーグルの扱いも好きです。眼鏡は防御力の低い防具だと思っているのですが、ゴーグルはさすがに防御力が高いなあ、と思いました。しかし、眼鏡にしてもゴーグルにしても、とることに意味があると思います。ルールは破るためにある、という感じで、眼鏡はとるためにある、と思う。ちなみに、最強の防具女性バージョンはコンタクト+化粧+スーツorドレス+美容院風髪型+高いヒールだと思ってます。
カラータイマーのごとく体力の限界がやってきたのでこの辺で。とにかく良いと思うので、ぜひ読んでみてください!全4巻です。
投稿者 michy : 2006年10月31日 11:39 :
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コメント
ざわ。ざわざわ。
福本伸行はいいですよね!「アカギ」も好きです。
ワタクシも「国士無双はなんだかすごいらしい」としか理解してない
麻雀オンチですが「天」読破しました。
楽しめたけどちゃんと理解してるのかと言われると心もとない。。。
思うに、ヒットする漫画や小説、映画って人生の機微を
ついたセリフがそこここにまぶしてあるんじゃないかなぁと。
「極東〜」「プラスチック〜」は初耳ですがmichyさんが福本伸行とからめて
紹介されてるところをみると「買い」って感じがします。
日本に一時帰国した際には要チェックやで!
Posted by: M13 : 2006年11月05日 21:40
福本伸行はいいですね〜。
麻雀分からなくても「天」が読めると聞くと、またチャンレジしたくなるのですが、しかし、私が途中で「天」を読むのをやめたのは「麻雀が分からないのにこれ以上読み進めても、この作品の本当のおもしろさを理解できない気がする」と思ったことが理由だった気もするので、うーんうーん。死ぬまでには絶対に読む本のリストにはあがっています。
「人生の機微をついたセリフ」というのは、なんか分かります。エヴァもそうだった気がします。ただ、最近ヒットした作品で考えると、Death Noteがそうだったかというと私はあの作品の台詞に「人生の機微」を感じた覚えがないので、十分条件であっても必要条件じゃないのかなー、と思います。(でも感じている人もいる気はします。だからヒットしてるのかな??)
私にとってDeath Noteの魅力ってなんなんだろうなぁ。一番は頭脳戦で、それ以上の魅力は換言すればLやミサなんかのキャラなのですが、自分は「L」っていうキャラに何を感じているかというと分かりません。それが「人生の機微」なのかな〜。うーんうーん。
「極東学園高校」はもう完結している作品でもあって、滅多な本屋さんで売ってるところを見かけたことがないので、帰国されたときにAmazonされるのが良いかもしれません。
Posted by: michy : 2006年11月09日 03:36

