「ビジネス版悪魔の辞典」山田英夫
巷にあふれるビジネス用語について、身も蓋もない「悪魔の辞典」風な解説を加えた本。理論と実際のはざまを感じさせてくれます。
それゆえ、真面目に仕事をやるのに疲れたときに読むと「はは。そんなもんだよね」と良い緩衝材になると思われますが、真面目に仕事をやっているときに読むと「本来の定義は違うんだよ!」とムカついたり「これだけ真剣にやってもそう言われるのかな」と意気消沈してしまう可能性があります。
そして、一番のポイントは著者の前職が三菱総合研究所でのコンサル、現職が早稲田のビジネススクールの教授であることです。実務をやっているがゆえ毒舌のききっっぷりと現状のおさえっぷりが適確でおもしろいんですが、他人事ながら、こんなこと書いちゃっていったいビジネススクールでは何をどのように教えているのか、前職で何があったのかが気になります。
以下、私的にツボったところをいくつか引用してみます。
「トップマネジメント・戦略」より
【品格】
それがある人は、あまり口にしない言葉。
【2×2マトリックス】
(1)米国人の多くが、五つ以上は覚えられないために考えだされた説明の道具。
(2)最大の効用は、「この四つだけ考えればよい」という安心感。
【コンサルティング会社】
(1)前もって温めていた案に、客観的な装いをするための表紙をつくってくれる会社
(2)本業特化、経営者交代など、提言に特徴のある会社もあるので、どのコンサルを使うかが鍵。
(3)(2)を相談できるコンサル会社は、誰に相談すれば分かるのだろうか。
「マーケティング」より
【元祖】
「強力な競合企業が出現した」ということを、わざわざ顧客に伝える枕詞。
【顧客生涯価値(ライフタイム・バリュー)】
(1)(略)
(2)昔からの「一見さんお断り」が、今頃理論化された。
「研究開発・生産」より
【ISO9000】
(1)公的な顔をしているが、やはり承認機関の飯のタネ。
(2)英国の植民地支配の手法の現代版。
(3)立派な申請書類やデータを揃えることをUSO800と呼ぶ。【ISO14000】
多数の書類を作成し、保管し、毎年データを測定し、査察を受け、多大な認証料を払っても、この会社は潰れなかったという証拠のマーク。











