父の食料計画
私の父は忙しそうです。
仕事を辞めてから、実家の田んぼと畑で米と無農薬の野菜を作り始めました。田んぼの隅には柿の木も二本ほど植えています。日々ニートとして、父から収穫したものを送ってもらうだけの生活をしている私には父の生活は想像もできません。
そんな父と電話をしました。
私「柿ありがとう。美味しかった」
父「よかった。あれは(以下柿の説明)。山にもな、スモモと○○と××と△△を植えたんや」
私「え?山にも植えたん?」
父は、もう既に十分忙しそうに思えるのですが、まだ何か始める余地があったとは驚きです。
父「そうや、そのうち販売できるかもしれんな。山といえば、タケノコなんやけど、昨年たくさん穫れたからと思って、今年は本格的に整備したら、土の下にあるのをイノシシに食べられてしもたわ」
…そういえば、父はタケノコも穫っていました。
本格的に整備せずともたくさんとれるなら、毎年そのまま本格的に整備しないままでいいんじゃないか、と思うのは素人浅はかさという奴でしょうか。
私「イノシシ?おらんかったよな?それは、あの、実家が田舎になったってこと?」
父「いや、違うんや。イノシシやシカが出て来るようになったのは温暖化のせいなんや。今までは何年かに一回は厳しい冬があったんや。そうすると餌がなくなるから、そのときに数が調整されてたんや。けどな、温暖化で増える一方になってしまったから、ここらへんまで来るようになったんや。乱開発とかそういうとは違う」
へー。温暖化の影響がそんなところにまで。
私「それは大変やな。狩猟してもらわなアカンなあ」
父「そうなんや」
私はあくまで冗談で言いました。
私「お父さん、狩猟免許でも取ったらえんちゃう?」
父「そうなんや。狩猟免許も取ろうかと思っててな」
え!?
父「狩猟って言っても罠のやつな。調べてみたら、罠をかけて穫るんでも免許がいるらしくってな。免許がとれたら、たんぱく質まで自給できるわ、って思とんや」
……。
水は井戸があって、米は炭水化物で、野菜は食物繊維で、糖分は果物で、うーんうーん。
何一つ自給できず、都市のコンクリートの中でニートとして生活している自分とのあまりの違いに、言葉を失いました。そのうえ、娘の食物育成の腕前は買って二日で、丈夫さでは名高いラベンダーを枯らそうとするほど(「『ガーデニングらしきもの』をやってみることにしました」)です。










