2007年10月09日
「投資される女 消費される女」酒井光雄
「投資される女 消費される女」
酒井 光雄
「この人と結婚していいの? 」
石井 希尚
タイトルは刺激的ですが、内容はステキな本でした。抽象論としてはよくある内容だと思うのですが、キレイな文章で、具体例や著者の解釈を述べつつ書いてあるのがためになって印象的です。著者が男性というのも良かったです。それ以外を否定したいわけではないので、こういう生き方をなんと例えればいいのかよく分かりませんが、俗にいう「心豊かに」生きたいなあ、と思う女性だけでなく男性にもオススメの本です。
なんとなく、こういう「ステキな人(女性)になるために」系の本って、女性が書いたものより男性が書いたもののほうがためになってオモシロイ気がします。「この人と結婚していいの? 」の著者も男性だったし。女性の視点なら女友達と話をして得られるから読むまでもないのか、「ただの自分の自慢話じゃん」っと嫉妬心が出てしまうからなのか、何でなんでしょう。
本書では、男性から時間や知恵、手間、そして時にお金をかけられ、誰よりも大切にされる女性を「投資される女性」とし、男性が時間やお金、工夫や手間をかけることを惜しみ男性の都合のいいように付き合う女性を「消費される女性」としています。また、結婚しているかしていないか、というのは関係ない、というスタンスです。(つまり、結婚しているからといって投資されているとは限らないし、仮に現在投資されているかといって将来そうであるとも限らない)
そして、投資されるとはどういうことか、投資をするようになる男性を見つけるにはどうすればいいか、投資してもらうキッカケは何か、投資される女性になるためにはどうすればいいか、などなどのことが書いてあります。セオリーなどは書いてあるものの、全体としてテクニック紹介の類いの本ではないので、読んでも実践がそれほど簡単ではないのが難点といえば難点ですが、ステキになろうと思ったときに安易なやり方などあるわけもないと思うので、当たり前と言えば当たり前だと思います。その過程で、ステキなホテル、ステキな本屋、ステキなワイン屋さん、ステキな美術館の紹介もあって「行ってみよう」という気になりました。
個人的には、「甘える」と「媚びる」は違うという指摘が素敵だなと思いました。この指摘だけに留まらず本書の指摘は、異性間だけではなく、仕事上でも有用なのじゃないかなー、と思いました。もちろん限度はあるのですが、部下に媚びるじゃなくて甘えられる上司ってステキだな、と思うし、先輩としては後輩に甘えてもらうと素直に嬉しいです。そして、他人に甘えるというのは簡単なことではなく、「自分の責任で他人に甘える」というのは覚悟が必要だな、と思います。
そして、多少、上記に通じるところがありますが、投資にしても「十分なリターンのない可能性はもちろんあって、その覚悟はある」というのが重要なんだろうなあ、と思うので、「この相手なら投資が失敗しない自信がある。もちろん、失敗しても選んだ自分の責任だから仕方が無い」とまで思ってもらえるのが重要なんだろうなあ、と思いました。
そして、以下の文書はさらっと書いてあって、「ゴメンナサイ。ゴメンナサイ」と思いました。
投資される女性ならきっと料理を作るのが上手なはずです。
わーん。買ったままになってる料理の本を読みます…。精進します。
投稿者 michy : 15:05
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2007年09月12日
「世界悪女物語」澁澤 龍彦
「世界悪女物語」
澁澤 龍彦
「悪女たちの残酷史」
岳 真也
「世界悪女大全」
桐生 操
何故かある日、歴史ものや悪女ものが読みたくなり、「悪女たちの残酷史」岳真也と「「世界悪女大全」桐生操を買いました。
前者は新書だし、分類もはっきりしていて読みやすいです。後者は文庫で少し長く、同じ人物が何度も出て来たりして、頭がこんがらがりそうになりますが、悪女への愛を感じます。前者は著者が男性で、後者が女性なので、そこの違いも出ていて読み比べていておもしろかったです。両方の本の参考文献などをパラパラと読んでいたら、悪女ものの元祖といえば澁澤龍彦らしいことを知りました。
そして、ある日、八重洲ブックセンターに出かけたら澁澤龍彦フェアをやっていました。名前は知っていたし、訳書を一冊持っていたものの、顔写真を見たことはありませんでした。写真集などをパラパラとめくって「怪しいとは思ってたけど、ここまで怪しいお兄さんだとは思わなかった。何故にこんなヌード写真が…」とびっくりしつつ、「世界悪女物語」を含めて数冊買ってきました。
…えーと、澁澤龍彦の本を今まで読まなかったのは、本能で危険を察知していたのではないかと思いました。都市の好みにせよ、人の好みにせよ、絵画の好みにせよ、私と澁澤龍彦は好みが似ているように思えるのですが、澁澤龍彦は私が「それはちょっと」と思う領域を軽々と超えていっています。もっと若いときに影響を受けていたら、現在の世の中で生きていくのが今よりさらに難しかったんじゃないかと思ってしまいました。
その「それはちょっと」という感じは本文にも表れています。太字は私です。
ヨーロッパの北の果ての、貧しい陰鬱な国スコットランドから、中世以来の洗練された文化国家フランスに連れて来られ(以下略)
私が似たようなことを思ってないかといえば、少し思ってますが、そんなにさらっと身も蓋もないことを書かれるとどうしていいやら。びっくりしていると、次のページにはもっと凄いことが書かれています。
湖と森の多いスコットランドは、暗い情熱によって引き裂かれた悲劇的な国である。オランダやスペインやフランスのように、人口の密集した、商業や貿易のさかんな、文化程度の高い国とは丸きり様子がちがう。シェークスピアの『マクベス』が見事に描いているように、貴族たちは血で血を洗う権力争いに明け暮れている。一方、狂信的なアルヴァン主義の布教者ジョン・ノックスは、説教壇の上で、フランスから帰った若い女王のカトリック信仰をあしきざまに攻撃する。
少女時代のみやびやかな環境とはあまりにも異なる、この憎悪にみちた貧しい国土で、若いメアリは政治の面倒にうんざりし、争い好きな貴族や坊主たちのあいだで、次第に馴染めない自分を感じはじめる。
スコットランドの立場はどこに!?という文書も断定的でおもしろいですが、メアリ(メアリ・スチュアート)の心情すら、断定的に書かれているあたりもなんともいえません。
なかでも、私が一番気に入ったのはルネッサンスという時代にについて書かれた以下の文書でした。
(前略)当時のひとびとが内面的な美、魂の美よりむしろ、外面的な美、肉体の美に対して、はるかに熱中していたことを示す好個の例である。その意味から、ルネッサンス期の特徴の一つは、魂の道徳的不感症といってもよかろう。
「魂の道徳的不感症」という言葉の選び方がおもしろいです。
紹介されている悪女自体もおもしろいですが、その紹介の文に表れている、澁澤龍彦の快楽主義で博学なところも楽しめます。
取り上げている悪女は、ルクレチア・ボルジア、エルゼベト・バートリー、エリザベス女王、メアリ・スチュアート、カトリーヌ・ド・メディチ、マリー・アントワネット、アグリッピナ、クレオパトラなどなど蒼々たる面々です。
登場する悪女の中で、私が一番好きなのは、現在モーニング連載中の「チェーザレ」の影響を頑張ってさっ引いてもルクレチア・ボルジアです。
同じ流され悪女系のメアリ・スチュアートもいいんですが、やっていることがすべて後手後手に回っているというか、流されっぱなしで、「周りは見えているのだろうか?」と思えるあたりがイマイチです。エリザベス女王との間で、「お姉さま」「親愛なる妹」と呼び合い親しげに手紙のやりとりをしていながら、一度も会った事がないあたりは「いい根性してるなあ」と好感がもてますが。
その点、ルクレチアは流されてはいるものの、自分でも精一杯何かをしようとしていたりする気がするし、ボルジア家の教育のおかげか周りが見えてそうに思えるところが好きです。そして、なにより、チェーザレとの間柄は!?ってワクワクドキドキできちゃうし。
投稿者 michy : 18:33
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「ビジネス版悪魔の辞典」山田英夫
巷にあふれるビジネス用語について、身も蓋もない「悪魔の辞典」風な解説を加えた本。理論と実際のはざまを感じさせてくれます。
それゆえ、真面目に仕事をやるのに疲れたときに読むと「はは。そんなもんだよね」と良い緩衝材になると思われますが、真面目に仕事をやっているときに読むと「本来の定義は違うんだよ!」とムカついたり「これだけ真剣にやってもそう言われるのかな」と意気消沈してしまう可能性があります。
そして、一番のポイントは著者の前職が三菱総合研究所でのコンサル、現職が早稲田のビジネススクールの教授であることです。実務をやっているがゆえ毒舌のききっっぷりと現状のおさえっぷりが適確でおもしろいんですが、他人事ながら、こんなこと書いちゃっていったいビジネススクールでは何をどのように教えているのか、前職で何があったのかが気になります。
以下、私的にツボったところをいくつか引用してみます。
「トップマネジメント・戦略」より
【品格】
それがある人は、あまり口にしない言葉。
【2×2マトリックス】
(1)米国人の多くが、五つ以上は覚えられないために考えだされた説明の道具。
(2)最大の効用は、「この四つだけ考えればよい」という安心感。
【コンサルティング会社】
(1)前もって温めていた案に、客観的な装いをするための表紙をつくってくれる会社
(2)本業特化、経営者交代など、提言に特徴のある会社もあるので、どのコンサルを使うかが鍵。
(3)(2)を相談できるコンサル会社は、誰に相談すれば分かるのだろうか。
「マーケティング」より
【元祖】
「強力な競合企業が出現した」ということを、わざわざ顧客に伝える枕詞。
【顧客生涯価値(ライフタイム・バリュー)】
(1)(略)
(2)昔からの「一見さんお断り」が、今頃理論化された。
「研究開発・生産」より
【ISO9000】
(1)公的な顔をしているが、やはり承認機関の飯のタネ。
(2)英国の植民地支配の手法の現代版。
(3)立派な申請書類やデータを揃えることをUSO800と呼ぶ。
【ISO14000】
多数の書類を作成し、保管し、毎年データを測定し、査察を受け、多大な認証料を払っても、この会社は潰れなかったという証拠のマーク。
投稿者 michy : 16:59
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2007年09月07日
「日本人のしきたり」飯倉 晴武
本屋を歩いていたら、夫に「君は何も知らないから、これを読むように」と強制的に私が買う予定の本たちの上に置かれた本です。
私が何もしらないのは確かなので買って読んでみました。
…説明が少なすぎました。
説明があっさりし過ぎて読んでいてものたりません。私はもっとくどくて、必要以上にエピソードたっぷりな感じが好きなんです。それでも知らないことも多いので、頑張って読みました。
しかし、そんな私の努力を無にする文書が表れました。
ちなみに、江戸時代まではおもに土葬でしたが、明治以降、土葬が禁止されて、現在は火葬となっています。
…知人が10年くらい前に、日本国内で、土葬の葬式で棺桶を担ぎ、墓穴を掘った件について。
法律では土葬は禁止されていなくて、地方により条例で土葬が禁止されています。そして、明治の話は土葬スペースがないのに無理にだされた火葬禁止令がすぐに撤回されただけではないかと…。(参考:土葬-Wikipedia)
よくある誤解やガセビアという奴だと思うのですが、少し調べれば分かることだけに一気にこの本に対する信頼がゆらぎました。もう読みません。
どなたか、こんなロクにものを知らないに、無意味なこだわり派の私でも満足できる日本のしきたりに関する本をご紹介ください。
投稿者 michy : 10:42
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2007年08月11日
「「日本社会」入門 」コリン・ジョイス
英国人記者が、後に続く英国人に向けて日本社会でいかに生き抜くべきかをおもしろおかしく書いてみたという作りの本。日本人がふだん当たり前のこととして享受していることが、英国人である著者にとってはいかに驚きであったのかが書かれています。
夫が「帯び買い」してきました。そして、私も帯にやられました。以下、帯より抜粋です。
日本で暮らすなら、これだけは覚えておこう。
歌舞伎は歌舞伎町ではやっていない。
日本の「パブ」はパブではない。
作家とサッカーの違いは大きい。
電車が遅れてると思う前に君の時計を疑え。
言われてみれば、確かに歌舞伎町で歌舞伎はやっていません。気付きませんでした。
また、本文にも同じようにびっくり事項がたくさんですが、なかでもびっくりしたのが、食事に関する文書でした。(太字は私)
このときわかったのだが、日本人にとって食べ物とはたんに「食べるもの」ではない。日本人は食べ物について語り、楽しみ、ときには訪れたりさえするのだ。ある料理をたべることだけを(主たる)目的について観光旅行をするなんて、イギリス人のぼくには思いもよらなかった。ぼくだって、たまたま現地で口にした料理がおいしければうれしく思うが、それ以上に食事が旅行の重要な部分を占めることがあるとはそもそも考えもしなかったからである。
地理的にみて、氷河に覆われていたことのあるイギリスは土地が痩せているし、気候と氷河のおかげでやってきた肥沃な土壌に恵まれたフランスやハンガリーからは海を隔てているし、想像するに、保存可能なものを除いて食文化が発達しようもなかった、むしろ発達して幸せだったかどうかが不明、というのは頭では理解しているつもりでした。また、イギリスに行ったときに、いかにイギリスの食事が日本人の口に合わないかも体感してきました。しかし、このように書かれると衝撃でした。
…英国人は何のために旅行をしているのでしょう。
また、古くからのイギリスの格言に「『生きるために食べろ。食べるために生きるな』とある」と書いてあるのにもびっくりしました。とっさに「生きる楽しみはどこに見いだしたら?」と思ってしまいました。でも、そんなことを思うのは土地と気候と海流に恵まれた土地に生まれ育った人間の傲慢である気もします。
また、日本人がいかに正直であるかも書いています。
(前略)日本人は世界でも有数の正直な国民だ。世界中のどの国の人だってウソをつく。しかし、ウソをついていることをいつもおおっぴらに認めるのは日本人くらいのものだろう。日本人は外国人に嬉々としてホンネとタテマエの区別を説明する。
…そういえば、私もイギリスに行ったときに「この人たちは人種差別をしてないんじゃない。人種差別をしてると認めないし、そうだと傍目に分からないようにしているだけなんだ。そして、たとえ白人でもBritish Englishを完璧に話せない限り、一段見下されることは否めないじゃないか。相手は絶対に認めないと思うけど」と勝手な印象をもったことを思い出しました。
同じようなことが、著者の好きな日本語の第3位であるところの「勝負パンツ」という言葉についての解説についても書いてありました。
この言い回しを聞いて、感心しなかったイギリス人の友人はひとりもいない。大事なデートの前に着ける下着を指す言葉に関して、日本語ほどに正直な言語はほかにあるだろうか?『ブリジット・ジョーンズの日記』があれほどのヒット作となったのは、何百万もの独身女性が「こんな風に思っているのは自分だけかしら」と思っていることを率直に表に出したからである。(中略)もし、日本語を知っていたなら、彼らはこれが社会に広く行きわたった慣習だともっと早く理解できていただろうが。
…いや、敵に下手に弱みをみせるとつけこまれるから弱みは絶対に見せない、というのは概念としてはとてもよく分かります。そして、日本は平和な国だったんだなあ、と自分が享受しているものの有り難さが身にしみます。
でも、素朴な疑問として、食事の話もしない、下世話な話もしない、では日々イギリスではどのようなことが、どのような話し方で会話されているのでしょう。そして、今後グローバル化したなかで生き残っていかなくてはいけない人間としては何を話題にすれのが適切なんでしょう。
また、日本って歴史的に本当に平和だったんだなー、と一番思ったのは、日本人の隣人への礼儀正しさや共生の感覚にはびっくりした、として書いてある例です。
曰く、自転車が壊れて自分では直せなくて近所のネジ屋さんを訪ねた筆者は、身体を気遣う言葉をかけてもらったうえに、30分も時間をとって直してもらい、あまつさえ取引先の電話より見知らずの自分を「仕事中だから」と優先し、最後に「たいしたことをしていないからお金はいらない」と言われ、「今度緩んだときに」と六画レンチまで渡してくれたことにびっくりし、彼を「完璧なジェントルマン」と評しています。
「今は少ないかもしれないけど、よくある光景だと思うんですけど」とどこにびっくりしたのかと思ったら「翌週、お返しに大口の注文書を持って店にやってくる」なんてことはあり得ないのにそんな丁寧な対応してくれたことにびっくりした、と書いてありました。な、なるほど。生き馬の目を抜く社会で生き抜く事がいかに難しいのか、何で契約書は英文になった瞬間にあんなに分厚くなるのか教えられます。
他にも、日本人の発明は素晴らしい、なかでも新書というサイズは読みやすく印刷もキレイだ!(全く同感。そして文庫も同じ)などなどのいろんな「英国の人もそう思ってたの」という話や、「そこにびっくりすることにびっくりした」という話が載っています。
最後に、イギリス風ジョークで、日本にやってきたイギリス人をからかおうということで、載っていた以下のような例をあげておきます。
「新宿駅の改札で待っている」とだけ言おう。それ以上具体的な説明をしてはいけない。日本人はたいてい武道をたしなんでいるから、駅の構内やプラットフォームで決してぶつかってはいけないようにと注意しておこう。
…それは普通にアカンやろ。私にはできません。
投稿者 michy : 00:15
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2007年08月06日
「ロジカル・リスニング」
私たちは夫婦は両方とも本が好きですが、あんまり読む本がかぶりません。もっといえば雑誌もかぶってませんし、買うCDもかぶりません。ゲーム機もかぶってませんし、ゲームもかぶってません。
共同生活を始めたときも、大学が一緒だったためにやむを得ず買わされた数冊の本を除いて、アーカイブが何も混ざりませんでした。
でも、お互いに自分の読んでる本などの自分のアーカイブに対してこだわりがあるわけで、「この本はいいよー」とお互いに薦めたりするのですが概して相手の反応は薄く、「サマって」(夫)「難しそうだからいい。内容を私に分かるように教えてよ」(私)と他力本願モードばりばりになっています。
この本も私にとってそんな本でした。
夫「タイトル買い。おもしろそうやろ」
私「へー。おもしろい題名だね。ロジカル・リスニングって私も出来るようになりたいなあ。どうやったらいいの?教えて、教えて」
夫「端的に言うと、キミには無理!」
…身も蓋もないですが、時間を無駄にしないたいへん分かりやすい説明というか結論でした。
夫「いや、だって、この本によれば、○○しながら、○○して、○○する、って同時にたくさんのことを処理せなアカンねん。マルチタスクのできないキミには無理やろ?」
夫が一緒に題名買いした「ファシリテーション・グラフィック」よりはまだ自分に取得できそうなスキルだと思ったのですが、甘かったようです。
私「…無理やな」
冷静に考えると、現状の第六感リスニングでも、しばしば意図されずにネタが生成される以外、あんまり困っていないといえば困っていないので、私はこれからも第六感リスニングでいくことにします。
肝心の本は夫曰く、なかなか良かったそうです。
投稿者 michy : 20:07
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2007年08月04日
「哲学」島田 紳助/松本 人志
紳介とまっちゃんが主にお笑いや人生の哲学について往復書簡のようにしたためられた書です。
夫が帰って来て、ふと床にある本を見つけて、夫婦でいかにも本オタクという謎な会話をしました。
夫「(一瞬、表紙を見て)ちくまは分かってるよな」
私「幻冬舍やけどな。幻冬舍も分かってると思うけど」
夫「幻冬舍か。幻冬舍も分かってるよな」
こういう会話が楽しい時点で、私も夫もかなりオタクです。
それはともかく、著者の二人がやっていた番組「松本紳助」がかなり好きで、番組の本は全部買ったと思うのですが、番組の本はあくまで「しゃべりを本に起こした」でしかないのに対して、きちんと「本向けに書かれた」本書は読み応えがありました。
色んなところで聞いたり読んだりする話ではあるけれども、ダウンタウン結成(って言えるのか?)当初のエピソードや紳介竜助解散時のエピソードは今まで一番読み応えがあったし、まっちゃんが「松本紳助」を「玄関先の挨拶」で「いわゆるトーク番組としては失敗」と評しているのも、「事前の打ち合わせをあまりしない」(同じことを繰り返すのは嫌だし出来ない)と言ってるのも、紳介が本当に師匠や他人の漫才をものすごく分析してノートにつけて、自分でどうすれば受けるのか考えて、パターンを作って再生していた、ということを語っているのもおもしろかったです。
ただ、二人に興味が無い人にもおもしろいのかと言われると少し疑問符がつくし、ファンならファンで「ああ、どこかで聞いたり読んだりした話だな」と思う話ばっかりだと思うし、なかなかターゲット設定が謎ではあります。私のように「同じことでも、表現方法を変更して何度も繰り返し読みたいわ」と思う、ニッチでコアなファンでしょうか…。
それはともかく、本書の中で、特に私の心をとらえたの話はボケとツッコミと、芸人における繊細と大胆でした。例によって、夫との間で小話があるので感想ついでに記します。
私「ねえねえ、パオロ・マウリツァーノじゃないけど、紳助も『ツッコミは努力で上達するものだが、ボケの才能はそうはいかない』って言ってたよ」
夫「パオロ?」
私「ちくま新書の『つっこみ力』の作者」(読んだことありません。ごめんなさい)
夫「ああ。あっそう」
私「でね、私思ったの。ってことは天然ボケ、天然ボケっていうけど、ボケは天然でしかないやん!」
私が『天然ボケ』と言われる比率は並ではありません。「天然ぼけ」というエントリにその悲哀がにじみ出ています。誰でも気付くと思いますが、ここに出て来る友人が夫です。
しかし、私はここに回答を発見したのです。努力でどうにもならず、天然にしかあり得ないものなら、実は天然はものすごく貴重なんじゃない!?
夫「…なに、自分を正当化してんねん」
私「正当化したいやん!何よ、人間は自分を正当化していくことによって生きて行くんだから。ふん」
しばらく後。
私「同じ本でね、まっちゃんが芸人を繊細と大胆に分類してたの。まっちゃんは繊細で、浜ちゃんが大胆。紳介は繊細でサンマが大胆なんだって」
夫「当たり前やん」
私「でね、ってことはいつも『おもしろい』と言われる私たちはどうなんだろう、と思ったの。考えてみたんだけど、二人とも繊細なんだよね〜」
夫「はあー!?」
私「え?二人とも繊細。な、なにがダメ!?どこがダメ!?」
夫「…。キミは自分を繊細ってことにしときたいんやろ」
私「え?しときたいんじゃなくて、そうやと思ってて、そう主張してるだけやけど…」
夫「…さようなら」
私「ちょっと待ってよ!私のどこが繊細じゃないの?少し打たれ強いところはあると思うから大胆さも併せ持ってるとは思うけど、こんなに心の細やかなんだから」
夫「もうええわ。あのな、キミにはいい台詞をあげよう。僕の同僚の名台詞のもじりで『繊細の定義がくずれるから辞めよう』」
私「??どういう意味?」
夫「僕が自分が普通やと思う、って主張してたら『普通の定義がくずれるから辞めましょう』って言われた」
……そんな夫の履歴書を見るだけで、そうでなくとも夫を一目見るだけでもわかる、明らかなデタラメと私の主張は違うと思う、と思いました。
投稿者 michy : 04:14
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2007年07月24日
「やさしくわかる東洋医学」根本 幸夫
長い間の、原因が不明の体調が悪い人生で「結局、医師は当事者じゃないし、私の身体に責任をとれるだけじゃないんだから、医師に任せるだけで自分が勉強しなかったらいい医師もわからないし自分が痛い目にあうだけだ」と思ったのと、生来の知識欲のため、漢方薬を処方してもらうにあたって東洋医学を勉強することにしました。
「そもそもどういう体系になっているのか、どういう分野があるのか、グランドデザインというか基礎すら分からないわ」と思ったので本屋で吟味した結果、その手の入門書として本書を手に取りました。
図を使って分かりやすい文書で種々の東洋医学の分野について書いてあっておもしろかったです。中国で発展したのは「中医学」で、「漢方」は日本で発展したなどなど来歴も普通に書いてあったのには「なるほど」と思いました。
「何ですたれたのかしら?中国や韓国では普通に生き残ってるよね?もしかして?」と思って読んでいたら記述がありました。明治に西欧化によって「科学的鍼灸」とされてしまい、かつ第二次大戦後に占領軍によって「鍼灸は新風特攻隊の思想とつながりがあるものとする」として禁止されようとしていたらしいです。人間異文化には排他的になってしまうものだと思いますが、それにしてもそんなの多いですね…。
本書は気、陰陽、五行、経絡、虚実、三陰三陽、気血水、温病、証、四診、脈診などについても書いてあって、「まあ、いろいろあるのね」とためになります。簡単なツボや薬膳、歴史、生薬なんかについても普通にまとめてあります。
これを読んだからといって、自分で何かできることは少ないと思いますが、巷にあふれる東洋医学情報について基礎知識を貯えるのにはオススメです。
投稿者 michy : 10:27
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2006年11月19日
「メンタル・タフネス」ジム・レイヤー
「メンタル・タフネス—勝ち抜く「精神力」を手に入れる」
ジム・レーヤー
私にとってはあまりに当たり前のこととして受け止めていたストレスに関する話があるのですが、そのことを友人に話すとものすごく感心されました。そのストレスに関する話は「そーいえば、私もこの本を読むまで明示的に意識したことはなかったかも」と思ったので、その本とそのそのストレスに関する話のご紹介です。
本は、スポーツ選手のトレーニングをした経験から、科学的に、ビジネスの場におけるストレス耐性を高める方法やストレスをコントロールをする方法を考察しています。論理的かつ科学的で具体例も多く読みやすいので、そういうのがお好きな方にはオススメです。残念ながら化学式や数式はありませんが、グラフは結構ありますし、脳神経学あたりの研究の成果にもさらっと触れられています。
そして、この本のエッセンスは以下の文言につきると思っていて、これが友人にしたストレスに関する話です。ある意味、このそのストレスに関する話が理解できているならこの本を読む必要はないと思います。具体的な方法についてもある程度書いてありますが、抽象性が高く、私には「いやー、それは分かってるし、やったつもりだけど、効き目はなかったよ」ということが多かったです。人に読んでもらうのは益があると思いますが。
ストレス耐性を鍛えるということは筋肉を鍛えるということと似ており、その人にとって過度なストレスも過少なストレスもストレス耐性を低下させる。適度なストレスと休息の繰り返しのみがストレス耐性をあげる。
もちろん、自分でやれればいいのですが、「過度なストレスがかかっている」「過少なストレスである」ということを自分で意識するのは難しく、かつ、仕事量というのはなかなか自分では調整つかないので、その「その人にあった、適度なストレスと休息」をどれだけとらせることができるか、というのがマネジメントというものだと思います。
投稿者 michy : 04:17
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2006年11月14日
「セレブをおとす英会話」マダム・ロセス
「セレブをおとす英会話」というよりは副題の「価値ある女性になるために」という言葉がピッタリという感じでした。
一人暮らしはすべしとか、同棲はすべし(私たちもお互いの両親公認で同棲してた時期があります)とか、結婚するという計画を建てるのは良いけど焦るのはよくないとか、根底の考え方が自分と同じで「私ってセレブ?」と思って少し嬉しかったです。
しかし、私はガーリーな服が好きで、ローラアシュレイもさりげなく好きだったりするので、「リボンにフリルは悪趣味」はグサリときました。…分かってるつもりですがやめられません。夫も少しあきれているようです。普段は結構シンプルめや和服っぽいのが多いと思うので、私のあんまり多くないガーリーな服コレクションは、「tasse tasse」の服や「Miss Alice」の服あたりです。どっちも「ヤング婦人服」のフロアでゲットしました。ガーリーな服を着るときもそこまでガーリーにはならないようにシンプルガーリーを目指し…いや、きっと病んでるんだと思います。
他にグサっときたのとしては、「話し方が女性の価値を決める」(マナーも含んでいました)や「姿勢を正しく」です。分かってるつもりでも出来なくて、「もう出来なくていいや」と少し諦めているところだったので、「姿勢やマナーはきちんとしないとなあ」と思いました。いつも注意してくれる夫に感謝です。
心に響いたマダム語録は、「仕事を辞めたい一心で結婚したいと思っているなら、転職するのが先」や「寂しくてたまらないから結婚したいというあなた。結婚相手ではなく友人を作るのが先です」です。「そうだよね〜」と思いました。よく働くのに疲れて「専業主婦になりたい」と言っていた私はダメだなあ、と思いました。家事が好きでもないのに。「いちばん魅力的なのは自信がある女性」(そして自信の裏打ちをするのは経験)や「素直がいちばん」も「そうだよね〜。頑張らないと」と思いながら読みました。落ち込んだときに読むと元気になる、座右の書かもです。
そして、こういうのが「外国人を落とす」という本に書かれている事実になんだか悲しくなりました。
私の周りの男性は、自立していて知的な女性が好きな人が多いのか、結婚や婚約している人からは自分の相手を誇るような話ばっかり聞いていた気がするので、「日本では、あんまり本人より知的で自立している女性は歓迎されないのかしら」と少し悲しくなりました。優劣なんて関係なく知的で自立してる女性ってステキだと思うんだけどなあ。
もしかして、だから、「ステキな男性は、ほぼ100%売約済み(長期続いてる彼女がいる、婚約者がいる、結婚しているのいずれかの条件にあてはまる)か遊び人であるけれども、ステキな女性が遊び人でもなく彼氏すらいないのは日常の出来事である」という友人と確認しあってしまった現実ができあがるのでしょうか。真面目に、美人で賢くて愛嬌あって仕事もできる女性の友人に、「最近どうよ?」という話しをふると「彼氏なんていないよ」と言われてびっくりするということが多いのです。みんな、見る目がないよ!
そういえば、最近はやりのツンデレというジャンルは知的で自立している女性がちょっとみせる弱さがステキって話じゃないのかしら??(違ったらゴメンナサイ)だとしたら将来に期待です。
そして、マダム語録で、太字にもされていなかったけれども、一番うなづいてしまったのはこの言葉です。
「日本語がきちんと話せなくて、英語がきちんと話せるわけがありません」
耳に痛い言葉です。しょっちゅう夫に「ごめん。日本語で話してくれるかな」と言われています…。精進します。
投稿者 michy : 17:45
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2006年10月20日
「ビジネス著作権法」荒竹 純一
法律書の多くにいえることなのだけれども、中でも著作権法は近年注目をあびるようになってきた分野なのにもかかわらず、理論的な説明や理想論的な説明が多く、具体事項に落とそうとすると曖昧でいまいち使い勝手が悪い本が多かったように思います。
また、実際の運用がどうされているのか、ということを確かめようとすると、その業界ごとのいろいろな本にあたらざるをえません。そして、業界向けの本というのは、法律については少し述べてあるだけだったり、独特な用語を使っていたり、誤解をうめそうな口調で書いてあったりして、「あれ?法律論でいうとどうなるんだっけ」状態に陥ったりすることもあります。結局、類例を調べようと思うと、もう判例百選の過去記事をあたらざるを得なくなったりします。(最高裁判所の判例検索は便利ですが、実務のリファレンスにはあまり向かない気がします)
そんなイライラがたまっていた私に「ビジネス著作権法」はビシっときました。…多少「メシのタネがなくなった」と思った感がなきにしもあらずではあるあたり、私も一人の人間なのですが。
法律論というよりは、「ビジネスにおいて著作権法を利用する際のリファレンス」として使いやすいように、実務で問題になることに重点をおいて書いてあります。書き方も平易で読みやすいと思いました。
私が調べた限りでは、記述がほとんどなくてムカついた「派遣労働者が著作権を作成した場合、派遣先企業での職務著作となるか」という問題についても、多数の著作の意見を注釈で拾ったうえで「争いがある」が著者はこう考えると記していて、非常に役に立ちます。個人的考えでは「争いがある」場合は、全部契約書を作りたいです。
また、判例の引用も多く具体的で、結局、この著作物の「依拠」や「著作物性」ってどう判断されるのか、といったことにも判例が多彩に引用されていて、本当に実務に使えそうです。例えば、「依拠」→「言語の著作物」→(1)フィクションの中で(1)「ぼくのスカート事件」(2)先生、僕ですよ事件、(3)悪妻物語事件控訴審、とさしてメジャーではない判例が3つもとりあげられています。もちろん、美術の著作物などの場合にはきちんと写真も掲載されています。その他の分かりやすい例としては、ゲームストーリーの変更と同一性保持権の問題でも、(1)三国志控訴審(2)ネオジオ事件第一審(3)ときめきメモリアル事件上告審(4)裸体画像事件控訴審(すごい名前ですね…。DOAのヤツです)と4つも例が取り上げられています。
それぞれの業界において実務がどうなっているかということも、きちんと記述されているのが、さらに役に立ちます。その業界にいる人には当たり前ですが部外者は案外知らない、複製防止技術とコピーガード・キャンセラーについての記述(それが「スタビライザー」として未だに一般に流通していることには、さすがに言及が無い)、半ページではあるものの通常フリーウェアと呼ばれる著作物についての記述(注釈とはいえGNUという文字を見たときは感動しました)、ジャスラックその他管理事業者についての記述、「レコード制作者」とは具体的に誰に当たるのかの記述、キー局とネット局の関係などのさまざまな具体的な記述があって非常にためになります。
まだ精読はできてませんが、手元に一冊、ぜひ!!オススメです。
投稿者 michy : 22:54
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セレブの英語ってそうなんですか?
H-Yamaguchi.net: 「セレブをおとす英会話―価値ある女性になるために」の書評を読んで、最初のエピソードでびっくりしました。
セレブってそうなのか?そもそも、その前過程が大事なのでは?いや、セレブはこの単語を理解してもらって嬉しいのか?つねづねセレブ系やお嬢様系にはステキアホ本が出る余地があると思っていたんですが、まだまだ私を魅了する本には出会えてませんでした。これがそれかもしれません。よーみーたーいー。
紹介されている文を読む限り、著者のマダム・ロセスはSex and the Cityのサマンサっぽいかなあ、と思います。サマンサはシャーロットの次に好き!
めちゃくちゃ欲しくなったので、近所の書店を2件ほど回って来たのですが置いてません。代わりに前から欲しかった「こんな女でごめんあそばせ」蝶々とだめんずウォーカー以外はハズレだったと思っているけどこれはアタリかも、と手に取った「ラブ中。」倉田 真由美と「働きマン」特集があったので手に取ってしまった「コンティニュー Vol.30」をお買い上げしてしまいました。まだ読んでないものばかりなのに…。超コチ亀はなんとかお買い上げを回避できました。
「セレブをおとす英会話」はこのお値段で中身も確かめずにAmazonというのは私の美学に反するので、週明けにでも遠出しようかと思っています。
投稿者 michy : 19:54
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2006年09月20日
「空想英語読本」マッシュー・ファーゴ
オレゴン州のウイラメット大学の英米文学部と日本語学部を主席で卒業したマッシュ・ファーゴさんが、アニメに出てくる単語や台詞、漫画のタイトルを英訳してみたり、逆にアニメに出てくる謎なカタカナ語の語源に迫ってみたりする本。
とりあえず表4の著者紹介の写真の、薔薇を手に持って遠くを眺めている横顔にびっくりしました。似合ってないとはいえないあたり、さらに微妙です。
なんとなく「もえたん」に似てる気がしますが、出版は「もえたん」より少し前になります。「もえたん」と違って、きちんと語源とかニュアンスとかが考慮されていて、それについての蘊蓄やエピソードが入っていたりするので、英語/日本語ともにまともでかなり読み物として読めます。単語別になってたりはしませんが、そんなコンセプトは既に「もえたん3」で忘れさられているような気がするので、どうでもいいのではないでしょうか。こんな感じです。
ブレストファイアー
「breast」は「胸」。もともは女性の胸を表していたらしく、「膨らむ」という意味がありました。今でも、この言葉は主に女性の乳房を意味します。
ただし、昔は男の胸にも「breast」を使っていたようです。小さい頃、僕は『旧約聖書』のなかに「breast」という単語を見かけて「おー!」と喜んだのですが、すぐに「なーんだ、男の胸じゃんかよ」と気付いて絶望し、不信心に陥った記憶があります。(以下略)
アホすぎていいです…。
他には「人類補完計画」を英訳するときに、「plan」だと具体的な計画だけれども、アニメ中では最後まで意味が分からない計画だから、もっと怪しげな「prospectus」を使って「Prospectus for Human Unity」としてみました、と書いてるあたりにセンスを感じました。
「もえたん」と少し文書がかぶっているところがあるので比較してみます。
「魔球」を投げすぎることは、身体に悪影響を及ぼすことが証明されています。v.s.
An overuse of "the Devil Pich" has been proved harmful to the body.
(from 「もえたん」)
消える魔球
Disappearing Vodoo pitch
(from「空想英語読本」)
「魔球」という言葉は英語には存在せず、試合ですざましい動きをした球には「There was some voodoo on the ball」と言われたりするので、「voodoo」と訳したとのことです。ちなみに、「miracle」にしてしまうと、努力より幸運で手に入れたというニュアンスになってしまうらしいです。
現在の流れからすると、地球滅亡まであと365日しかない。v.s.
Considering the current path of the earth, we only have 365 days beore the destuction of the earth.
(from 「もえたん」)
地球滅亡の日まで、あと365日
365 days until the Apocalypse.
(from「空想英語読本」)
Apocalypse=黙示録=世界の終わり、という意味で、世界の終わりを意味したいならこの単語を使うべきらしいです。ただ、私は宗教的意味が出ないのかなー、と心配になっちゃいました。どうでもいいけど、ANAのCMの宇宙戦艦ヤマトの乗員たちはこの言葉を思い出して早くANAの旅から帰って欲しいものです。
若さ故の過ちなら、なるべく許してあげよう。v.s.
Since they are younger, they are allowed to make more mistakes.
(from 「もえたん」)
「認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを」
It's hard to fess up to the mistakes you make in your youth.
(from「空想英語読本」)
「若さ故の過ち」って「若いときの間違い」ってことになっちゃうんですね。うーん、なんかびみょーだ。
彼女は月に代わってお仕置きをするv.s.
She scolds then by proxy of the moon.
(from 「もえたん」)
「月に代わってお仕置きよ」
In lieu of the moon, take your scoloding from me!
(from「空想英語読本」)
かわいさを出すために「In lieu of」を選択して、しかも「moon」と韻を踏んだらしいです。確かにかわいい。
問題は、空想科学読本系の本なので、やや私は対象からはずれてるっぽく、ウルトラマン/ガンダム/マジンガーなどの「往年の名作」ばかりなので、元ネタが分かりません。純粋に英語本として楽しんでます。ネタを「もえたん3」あたりからとってきた英語本をまた書いてくれれば最高なのに!
投稿者 michy : 09:22
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2006年08月28日
「高校生が感動した『論語』」佐久協
慶応義塾高校で35年間漢文を教え、生徒によるアンケート最も人気のある授業をする先生として親しまれてきた著者が、論語の、主に孔子の言葉を訳したもの。原文、書き下し文も同時収録されています。
私はなにげに漢文好きで、Z会に連載されていた高校の範囲を超えた漢文の文法の記事(どれが主語でどれが動詞で、目的語がどうきて、だからどういうときにレ点をうつのか、というような記事。「ほほほ」とへんなしゃべりかたをする先生が登場してた気がする。おかげで英語と同じように読めばいいと分かったのは収穫だった。本で出してくれたら買ったのに…)をクリッピングしていたりしました。高校時代の教科書もとっておいたはずですが、どこかに消えました。
また、私はつねづね教育者として一番頼りにできるのは偏差値の高い私立中高一貫校の教員だという持論を持っています。大学の先生は派閥争いや研究に忙しそうなうえに、お給料も社会的地位もそれなりにあるので、「教えるのが好き」という人を押しのけて、別の動機を持った人が残る確率が高そうです。
その点、私立中高一貫校の先生は概して給料が低く(あくまで私の知ってる限り。そういえば慶応義塾高校は高給そうな気がする)、偏差値がある程度以上の私立だと、生徒が頭がいいから下手な教え方をしているとしっぺ返しをくったりするので、「教える」ということに情熱を持った人か何かを達観してる人(生徒にとっては大迷惑)でないと続かないような気がします。教えるのが好きな人は、頭のいい生徒を教えるのが好きそうですし、中学から高校まで一貫して教えられる、というのも魅力なので、中高一貫私立に教えるのが好きな教員が集まるのだと思ってます。予備校の授業も分かりやすくていいのですが、どうしても範囲が「大学受験」に限定されてしまうのが問題です。
そんなわけでタイトルと帯をみて本書は衝動買いしました。私の好みは、昔教科書でちょっと読んだ限りでは、思想家の中では性悪説の韓非がなのですが、韓非はかなり後期の人だった気がするし、そもそもの発祥は孔子の「論語」だと思うので、「論語」を読んでおくのも悪くないだろう、という考えです。もうブームは過ぎたのかもしれませんが、夫が「孫子の兵法」にはまっていたり、我が家は少し古代中国がはやっています。
B.C.500くらいに書かれた文書のはずのに、今にも当てはまることが多くてびっくりしました。最初は「何を当たり前のことばかり」と思って読んでいたのですが、2500年たっても変わらない真実に引き込まれていきました。訳文も読みやすいので、一気に読んでしました。
孔子が、質問する弟子の背景や日頃の態度にあわせて、質問への返事の仕方を変えているのは、「これぞ、教育だなあ」と思って感嘆しました。ここまできちっとオーダーメイドの教育してくれる人っていいなあ。部下に対して上司とは本来そうあるべきものなんだろうなあ、なんてことを思いました。
また、その「徳」を重んじる文書を読んで、「うんうん」と思うにつけ、今の日本に欠けているのは、ここに書かれているような徳や儒教の精神だなあ、と思いました。「儒教」というと、意味の無い年功序列や尊属殺人罪などの負の要素ばかりを思い出していた私ですが、西洋合理主義に犯されすぎていたかな、と思いました。手元に置くのにオススメの本です。
中でも私が感銘を受けたのは、以下の文書です。
弟子の子路とこんなやり取りをしたことがあるよ。
「もしも衞の君主に招かれて政治を任されたなら、先生は何から始めますか」
「官職の名前を点検して正しい名前にし、権限をきちんと文書化することかな」
「そんなことを最初になさるんですか。だから先生は遠回りだと言われちゃうんですよ。官職名など、どうだっていいじゃないですか」
「(中略)官職の名前や権限がきちんとしていなければ、命令がきちんと伝わらないじゃあないか。命令がきちんと伝わらなければ社会秩序は生まれない。社会秩序が生まれなければ人民が共有する社会規範も育たない。社会規範が育たなければ、裁判だって行えないじゃないか。裁判が行えないなら、国民はのんびり手足をのばしてくつろぐことすら出来やしないだろう。だから、道理の分かった政治家は、まず名称を正しくする。次に命令を発して施行する。そうすれば、出しっ放しで終わるような法律もなくなるんだよ。政治家というものは言葉を決して軽々しく厚かってはならないもんだぞ」
子路第13の3
そうだよねー!と思って、とりあえず「日本版SOX法」って通称は分かりにくいからどうにかして欲しいと思いました。「金融商品取引法」がぜんぜんピンとこないからこんな通称になったんだと思うんですけど、うーん。アメリカが法律名に人物名の通称をあてるのもどうにかして欲しいです。「米国企業改革法」って通称も「で?」って感じですが、「サーベンス・オクスリー法」よりは何のことか分かりやすいので、前者のほうが広まって欲しかったです。
弟子はいっぱい出てくるのですが、私はこの子路が好きです。質問がいつも直裁で、孔子の返答が分かりやすいんです。出来のいい弟子、例えば顔回への返答は私には理解しきれなかったので、きっと、子路はいつも突拍子もないことを聞いてる不肖の弟子で、孔子も気を使って分かりやすく具体的に説明してあげてたんだろうなあ、と思いました。
本の前書きに、「孔子マザコン説やホモセクシャル説を唱える生徒もいた」(どうでもいい注釈ですが、慶応義塾高校は男子校のようです)と書いてあって、「ダ・ヴィンチといい、有名な人は後で適当なこと言われて苦労するなあ。オスカー・ワイルドのホモセクシャルはガチだけど」と適当に読んでいたら、「弟子の死」の項目にあたってびっくりして、「ホモセクシャル説は言われても仕方が無い…」と思いました。
戦場ではぐれて、やっと顔をあわせたときに顔回が孔子に言った「子在(いま)す、回何ぞ敢えて死せん」は、私も夫に言われてみたい殺し文句だと思うし、孔子が顔回の葬式に泣き崩れたことを回想して、「夫(か)の人のために慟するにあらずして、誰が為めにかせん」は、「もう二人して勝手にやってください」って感じです。
それはともかく、なかなかおもしろかったので、「もっと孔子話を読みたい」と思って、ちょっと検索をかけたら顔回が主人公の「陋巷に在り」酒見賢一が見つかったので読もうとしたのですが、挫折しました。中国っぽいオカルトは嫌いじゃないし、蘊蓄がいっぱいあっても大丈夫、と思って読み始めたのですが、最初のサイコ戦あたりで、「何かが違う」と思ってしまいました。妙に現代っぽい感じが気に入らなかったのかもしれません。機会があったらまたトライしてみます。
井上靖の「孔子」は書評にあった、「新約聖書っぽい」という言葉に挫折を感じました。架空の弟子が語る、という設定も受け入れがたいですが、新約聖書はとても読みにくいしウザい、と常々思っていたので諦めました。
他の有名な本は難しそうだし、何か読みやすい孔子本はないものか。うーん。
投稿者 michy : 09:30
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2006年07月29日
「もえたん3」
もえたん2は上巻がつまらなくて、下巻は買わなかったのですが、3は立ち読みしてみたら「私、ターゲットにされてる!」と思ったので買ってしまいました。
内容はかなりオタクよりで謎になってます。萌える英単語は「本当にそんな例文で覚えるのか!」と聞きたくなるし、とっさのヒトコトは「フラグが立ちそうなヒトコト」とか謎な特集が多いし、ツンデレ英会話はツンデレな会話が英語になってるし、ビルとサムの冒険はアメリカからやってきたオタク青年ビルが日本を探索する物語で「いいのかな?」って感じだし、この本と何の関係があるのか不明な日本語オンリーの物語がついてるし、ちょっとクラクラきました。
萌える英単語はよりオタクよりというか同人よりっぽくなくっていて、「3時間並んで買った大手サークルの本が、夕方には同人ショップに入荷していた」(そんなに早いんですか?書店売りって一ヶ月後くらいかと思ってました)「彼女はホモが嫌いな女子の存在を認めない」「二次元から卒業しろとを言われたが、ポリゴンは好みではない」など、なかなかです。
今回、充実してるのは「とっさのヒトコト」だと思います。注釈もかなりの割合でついていて、分かりやすくなってます。私が受けたのは「げんしけん」ネタの「血の繋がった妹なんて要るわけないじゃないか」「俺がエロゲーをやめるとかありえないから」(何で「僕」じゃなくて「俺」になってるのか気になった。ところで、ここで「エロゲー」はthese erotic gameになっていて、他の場所ではadult gameとかになっていたのですが、本当はなんと言われているのでしょうか。hentai game?→ぐぐってみたらeroge
英訳のクオリティは謎なところが多くって、「ググれ」が「GIYF(=Google is your friend)」になってるのは「へぇー」と勉強させてもらったりしました。しかし、「めし どこか たのむ」が「Do you know anyplace good to eat?」は「違うだろ!」とツッコミたくなりました。電車男がエルメスちゃんとの電話の最中に焦って、キーボードに最低限の言葉を打ち込んだことに、この言葉の価値があるわけであって、せめて「food somewhere pls.」とかだと思うんです。「詳しく(=kwsk)」が「Could you be a bit more specific?」だったのには突っ込みを通り越して笑ってしまいました。「Could you」ってなんでそんなに丁寧なんだよー。受験英語のためには勉強になるかもしれないけど。
詩編はかなりアレな状況が詩編にされています。アキバで深夜販売で話題作を購入した後は、漫画喫茶で始発までプレイするという黄金コースがあることを知りました。
ビルとサムの冒険は、管理人さんは小学生がいいとか、女性が落とした同人誌を拾ってあげるべきかとか(私は拾ってあげるべきだと思いますが…)、有明で買い物をしたけど税関でどうしようとか、池袋にいるある種の女性にとっては名前の前後が最も重要なことであるとか、ある意味ギリギリだと思いました。
ツンデレ英会話はよくわかりませんでした。でも、「ばかあ」が「I hate you」なのは少し萌えました。
結論:一般人にはまったくオススメできません。
投稿者 michy : 02:20
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2006年07月08日
「空想プロジェクトマネジメント読本」
「空想プロジェクトマネジメント読本」
司馬 紅太郎
なか見検索!OK
夫と一緒に本屋を歩いているときに、(私の主観的に)ほぼ同時に発見したものの、夫に先を越されてしかもお買い上げされてしまい、「不覚!」と思った本です。夫婦してこういう、あほなアプローチの本は大好きです。
「なぜ、ショッカーは世界を征服できなかったのか」などというアニメや漫画上の命題を、PMBOKを使って分析しています。取り上げられているのは、シャア・アズナブル、ガラスの仮面、矢吹丈、宇宙戦艦ヤマト、ゴルゴ13、冬ソナ、ウルトラマンなどの、今プロマネやPMBOKを必要としているであろう世代には響くネタです。分析内容も、プロマネっぽいらしく、プロマネっぽい仕事(たぶん…)をしている夫も「おもしろかった」と述べていました。
以下、少しおもしろそうな目次を抜粋です。
Report 1 シャアアズナブルのプロマネスキルは赤く染まっているのか
(中略)
あやしかった司令塔としての力量
「坊やだからさ」でいいのか
(中略)
シャアのマネジメントスキルには危険がいっぱい
(中略)
Report 4 ヤマト処女航海のゴールは人類滅亡なのか
(中略)
若造ばかりの114人に未来を託していいのか?
バラン星よりもイスカンダルを!
(中略)
ワープ航法はスケジュールの救世主か?
(中略)
Report 8 ショッカーはなぜ世界を征服できなかったのか
(中略)
ショッカーにも社是を
ショッカーのコミニケーションチャネルは50億!
(中略)
ショッカーのバックオフィスでは胃薬が必需品
(中略)
Report 10 ウルトラシリーズの「防衛組織」はなぜいつも負け犬なのか
(中略)
ないの三重奏-頼みの綱はウルトラマン
軍隊組織のウルトラ警備隊-その指揮系統は?
キリヤマ隊長を軽視したツケは重い
プロマネに疲れたとき、そもそもプロマネやPMBOKってなによっていうとき、飲み会のネタに飢えているときにオススメです。
投稿者 michy : 11:21
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2006年06月26日
「電波男」本田透
題名と表紙と前書きで思わず買ってしまった私は間違いなくその道の人です。「おもしろいでしょ」と前書きを朗読したら夫にひかれました。すみません…。しかし、私はなかなか興味深く読みました。
脚注いっぱいで、哲学から漫画からエロゲーまで取り上げながら、「恋愛資本主義」に対抗して「オタクでも二次元でもいいじゃないか!二次元に『萌え』ることよって平和に過ごすことが出来て、生きていけるならそれでいいじゃなないか。俺は現実には愛を感じない。二次元に感じるんだ」というようなことを述べている本です。
自分が女なので、「うーん、すべての女性がそうではないよ」と思う場面も多かったものの(ここらへんわけわからない男性週刊誌の弊害ではないかと…)、宮沢賢治、手塚治虫、ダヴィンチあたりが「実は二次元萌え」っていう論は「確かにねえ」と思うところもあっておもしろかったです。「マトリックス」などの独自解説なんかは「そうそう」と思ってしまいました。ちなみに、私はあの映画のテーマは「愛は地球を救う」だと思っています。














