2009年02月05日

「臓器農場」帚木蓬生

  

評価:3/5(普通におもしろい)

本書に代理ミュンヒハウゼン症候群の母親が出て来る、ということで読みたくなって買ってみました。著者にしては読みやすい作りで、重いテーマをリーダビリティを確保して読ませるすべはさすが!と思いました。

軽く読んでしまえる話でもあるのですが、いろいろと考えると袋小路に入りそうな問題が多く含まれているなぁと思いました。

2009年02月03日

「SUGAR」全8巻「RIN」全4巻 新井英樹

評価:5/5(素晴らしい)

しんどくって精神的にテンパってるときに読んだのですが、そういうときに読むと覿面に効いて、ハイになれる。疲れててヤバいんだけど、頑張りたいみたいなときに読むといいです。

色んなものを削って削って、エロやグロや、とにかく生命にとって根源的なものから自分を震いたたせる、但し才能があるならね、という感じの作品です。あんまり似たような作品を思いつかない。

作者がボクシングと主人公を好きすぎて、他のエピソードがボクシングや主人公のオマケに過ぎないあたりに「もっと大事にしてやってよ!ラブだって生きていくには重要よ!○○くんも頑張ってるよ!」とそんなことを言いたくなった。

エログロはなかなかキツイので、苦手な人は注意です。エロもグロもエログロもあったと思いますです。

「MW」手塚治虫 全2巻

評価:3/5(普通におもしろい)

手塚治虫大人買いのにて「映画化」という言葉につられて買いました。

「火の鳥」とは反対側の手塚の側面が出たノワールっぽい作品で、「この作品をなぜ今映画化したいのか?」とものすごく悩んでしまった。女装やゲイ、陰謀、猟奇的な描写はあって、そういうのが受けるって思われたのかな、と思うんだけど、正直、手塚の作品としてそこまでいいものとは思えない。奥深くの問題意識的部分があって、そこに突き動かされて描いてるように思うんだけど、MWだけ読んでその意識がつかめるかというとまず掴めないように思う。

下手につくると「え?」ってくらいの低俗な作品になりそうだし、哲学的にしようとすると今度は余計な部分が多すぎるように思った。この作品は、たぶん、「ネオ・ファウスト」に続くんだと思っていて、あれは「天才手塚の苦悩」というカンジの「読みたい人だけ読むべし」という本に思えたので、映画化という一般向けのものにあまり向かないのかな、と思った。

「火の鳥」手塚治虫 全13巻

評価:5/5(素晴らしい)

これも「ブッダ」と一緒に大人買い。自分で買いながら「「火の鳥」を読みたいっていう精神状態なら大丈夫だろ」と思った。実に素晴らしく、いくつもの連載をしながら、ライフワークとして火の鳥を描き続けた手塚はやはりおかしいと思う。平行して描けるようなものには思えない…。

日本でマンガって文化の隆盛があったのは手塚治虫がいたからなんだろうなあ、と思った。

未来ものと歴史ものが交互に語られる構成なんだけど、歴史ものを読んでるとたびたび気が遠くなってきて内容があたまに入らず、「ああ、私って本当に歴史がダメだなあ」と思った。これで嫌いなら救われるのかもしれないけど、歴史が好きなのがまた悲しい。

私の好みは、以下のような感じです。

未来編=太陽編>鳳凰編>復活編

それぞれの感想

黎明編

それなりにすきなんだけど、だから何ってわけでもない作品。

未来編
手塚のいいたことをストレートに勤め込んだ、雄大な作品と言う感じで好き。ストレート過ぎるかな、とは思う。

ヤマト編
なかなか好きだけど、だから何ってわけでもない作品。

宇宙編
きっと考えればいろいろと矛盾があるんだろうなぁ、と思うんだけど、そんなことはどうでもよく、宇宙のなんともいえない感じが好き。  

鳳凰編
これは歴史モノにしてはかなり好き!「ブッダ」と通じるところのある作品。ただ、未来編で描いてたようなものがなく、通俗的な面だけに落ちてる気がする。だから分かりやすいんだけど、それは「火の鳥」と冠する意味はあるのか?と思う。

復活編
ロビタ大好きなので、もちろん好き!ラブは素晴らしいでしょう。テーマは難しく、まだ自分の中で処理できない。

羽衣編
なんとなくかなり好き。  イイハナシなうえに描写がおもしろい。

異形編
中高生のころに一番読んだ話。読み過ぎたせいか今読むと「あれ?」と思ってしまった。

望郷編
いいはなしだとは思うんだけど、どうしてもムーピーの描写に生理的嫌悪を感じてしまう。

乱世編
…まともに読めたことがないと思う。いつも常に途中で挫折する。

生命編
通俗的だけどおもしろくて好き。ただ、ナメクジ、ロボット、ムーピーとの混血などを描いたあとに、クローンというのは「そこまでしないと伝わらなかったのか?」と思ってしまう。ただのそういう表現手法である気もする。

太陽編
難しさとおもしろさの混ざり具合が絶妙で、手塚治虫らしい!!なんでも使いようで、人の心次第。私の中の順位では、未来編と甲乙つけがたい。

  

「ブッダ」手塚治虫 全12巻

評価:5/5(素晴らしい)

かつてないほど肉体的に辛かったので、「こ、これを乗り切るために!」と大人買いした本。こういうときは必要な本が分かるもので、本屋に行く前は何を買うやらはっきりしなかったけど、本屋に行ったら目が離せなくなった。

それでも買うときは「聖お兄さん」の復読本のつもりだったんだけど、うーん、しんどいときに読むと「うわー」と思った。あのとき読んで良かった。イライラしたり、希望の打ち砕かれっぷりが辛かったりはしたけど。

この描き方は、手塚が医師であったことが関係あるんだろうなあ、と思って、どれくらい医師やってたのか知ろうと思ったら18のときにデビューしてた。医学部が漫画家をやりながら卒業できるものであったとは初めて知った。

なんというか、病なり苦しみなり戦なり、そのようなものについて現在言われてる言説は多々有れど、アイディアなりは結局のところブッダの時代と変わらなくて、「答え」だと言われているものはブッダが取り組んで挫折したものなんだろうなぁ、と思った。クラス社会とヒンズーのカースト違いが私には分からない。人種差別も、人間を動物や植物に比べて特別だと思うこともそう。

でも、「答え」なんてあったら、それはむしろ困るのであって、答えがないってことが「答え」で、だから繰り返しでいいんだと思う。

しかし、ラーフラくんはかわいそう。むしろブッダよりラーフラくんがすごいと思ってしまった。ヤシャラダさんも。

2008年12月11日

「新・都市論TOKYO」隈研吾、清野由美



評価:4/5(オススメ!)

六本木ヒルズとミッドタウンについての隈研吾の評価を読んでみたくて購入。さすが新書だけあって2時間弱でした。

隈研吾の歯に衣着せてないんだけど、それは意識してないだけ、という感じが心地いい。イタリア街の「イタリアにしてしまっただけに寒々しい感じが」には爆笑してしまった。もう少し彼の本を読んでみたいかも。

汐留の個々のビルの評価がそれほど低くないのに、驚いた。個々のビルのポテンシャルより、圧倒的に悪いオーガナイズにすべてが台無し、という論調。言われてみればそうかも。そして、それが日本の問題かも。日本軍すごいコピペでも「何でその日本軍が負けたのかがミステリー」とあるけど、そのミステリーをどうにかしないことには日本は負け続ける気がする。そしてそれはたぶんミステリーでもなんでもなく、船頭多いだけでは。

六本木ヒルズのエピソードにはびっくりした。ちょっと六本木ヒルズと森稔が好きになった。「彼は芸術家」という表現がすごい。確かに社長が芸術家なんですよ、と言われれば、それはそうかもな、という気がする。…芸術家でもないと、あのヒルズを一から用地買収なんて考えない。リンカネーションはおもしろい。

ミッドタウンは…読んでみて思ったんだけど、あそこはものすごくキレイなんだけど中身がない気がする。入っているテナントや歩いてる人にあってないような。入ってるテナントは外身より一段落ちる感じだし、統一感もあまり感じない。歩いてる人は私たちを含めウインドウショッピングをしているだけで観客のよう。それでいて外身が主人公というわけでもない、あくまでも品のいい脇役というように見える。

丸の内は、歩くのにいいし、また行きたいなあって思うけど、「だから?」という感じ。三菱は身の丈が分かっているという表現はその私の感覚をまさに言ってくれているようでおもしろかった。

特に大きな結論があるわけではないと思うけれども、これからの町づくりや東京を考えるうえでおもしろい視点を学べて良かった。

「英会話ヒトリゴト学習法」



評価:4/5(オススメ!)

題名と表紙と404 blog not foundでの紹介がおもしろくて購入してみた。作者の人柄に魅了される。

最初から「何故自分がこの本を書こうと思ったのか」と入って、そのままコムズカシク続くあたりから、おもしろい。なんだか論文を読んでる気分になる。まるで偉い人になったようだ。

書いてあることもアルターエゴがどうのこうのだの、形式知だの暗黙知だのいう言葉がバシバシ出て来るのも、図が図がグラフ形式で矢印付きなあたりだのも、なんだか大層な本を読んでる気になって来て、心地よい。

内容も興味深く、例文や例示などが少なくとも「なるほど。こうやってすればいいんだー」と思えるあたりは実によく出来ていると思う。確かに、英語ってなれだから、英語だけでしゃべろうとすればするほど身に付く気がする。日本語訳を補助的に使うときにも「あくまでも言語のイメージ」として使わないとダメになる気がする。

少なくともビジネスで「英語が日本語か」というときは、それこそ「英語文化が日本語文化が」という意味の話であって、「英語で書くべき内容を日本語で用意して」と言われると、たいして英語力のない私でもそのほうが面倒に感じる。…英語文化圏のものなら例文なり例示なりが、まず英語であるから。

まあ、よく考えてみると、関西弁か関東弁かでもそうだ。意識してスイッチなど出来ないし、文化で言うべきことが違う。

たぶん、「仕事で英語」をある程度やっている人なら感覚的には分かるけど、言葉にするのは難しい話を、ここまで薄く、理屈っぽく、言葉にして説明している筆者はすごい、と思う。

「神鳥」篠田節子



評価:2/5

篠田節子ブームで買ったみた本。ブームはもう終焉を迎えてしまったのだけど、ブーム中に買った本なので、ふっと思ったときに読んでみた。あっという間でした。

もっとミステリな感じかと思いきや、意外にホラーでびっくり。しかし、謎は解けたので満足といえば満足。牡丹と鳥にも意外に詳しくなった。

ただ、この内容にしては、読みやすいんだけど説明し過ぎに思えるところが好みではなかった。こういう幻想ちっくなイメージなら、展開についての説明ももうちょっと行間を読ませる感じが好きなのかもしれない。「○○の理由はこういうことで」っていうのは私はあまり書いて欲しくないかも。

「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」町山智浩



評価:4/5(オススメ!)

そこかしこで見かけるので購入して読んでみた。

ソフトカバーで正解!こういう本がたくさん出たら、もっと本を読む人が増えるかなー、と思った。コラムだけあってリーダビリティ重視で、すごく読みやすい。あっという間に読めた。

アメリカ社会の宗教や政治、食べ物に経済などなどの色々なトンデモ話がたくさん。でも作者はきっとアメリカが好きなんだろうなぁって思わせるところがいい!マイケル・ムーアもなんだかんだアメリカが好きなんだろうなぁと思う。

ネタになるってやっぱりいいものだなぁ。アメリカは変だと思うけど、変っていうのはネタになるってことで、エネルギーがあるってことだなぁと思った。それってやっぱり魅力だと思う。

知人の「読むとマケインが好きになります」という書評を読んで、「ナイナイ」と思ってたけど、本当に好きになってしまった。オバマさんがが優等生でいけ好かなく思えてくるから不思議である。

「クライマーズ・ハイ」横山秀夫


評価:3/5(普通におもしろい)

本屋で「映画化」ということで積んであったのと、日航機の事件には前々から興味があったので購入。横山秀夫は「うまいなぁ」と思うものの、私には難解な漢字に惑わされて、作者の描いてるイメージがつかめなかったのだが、「これだけ薄ければ、なんとか!」と思ってトライ。

…敗北しました。

ワクワクして読み進んだんだけど、そのわりにはこう要点というか、作者のイメージするものがつかめない。何でその描写からその描写に行くのかわからないことが多かったので、たぶん、行間の、省略されているところが私には分からないんだろうなぁ、と思う。

日航機墜落の知識が着いたので初期の目的は完遂したと思うんだけど、読み終わって、「そういう話がしたいなら、ここまで大きな題材を扱わなくていいじゃ??」と思ってしまった…。いや、きっと、大きくても小さくても大事なことは大事って、そういう話だと思うんですが、なんかこう胸がモヤモヤモヤモヤ。

何のために山の昇るか、ということも、私には深遠な意味がわからなかった…。あと10年くらいしたらわかるのか、いや組織でこういう「部下を抱えて政治政治」ってやったことのない私には心底の感触は掴めないのか、だとしたら,,周りの人には迷惑な話だが「本を読む為にその体験をしたい」と思った。

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michy / 女性 / 約30歳
オタクでイタくて自己中でヒッキーでアホでお子様
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