評価:2/5(まあまあ)
タネや筋書きやテーマよりはむしろ筆者の言葉の選び方や人物設定、ものの捉え方などが興味深かった本です。
私の期待が大き過ぎたのか、正直、ミステリとしては「ありがちでライトノベルっぽい」という印象しか受けませんでした。ただ、筆者が現役の医師であることを考えれば、デビューから短い期間でこれだけのクオリティのものを出せるだけでも凄いと思います。
筆の早さのためか、「え?この人物の設定はあまりに無理があるのでは?」と思う箇所が多く、それが「あ、でも、お医者さんはこれが不思議でない世界に住んでるのかな」と思えて、とても興味深かったです。もちろん、私の感覚がおかしいのかもしれませんし、このかただけがそういう感覚なのかもしれないです。
例えば、迦陵頻伽は私には何のことやらサッパリ分からなくて辞書を引いたし、ナイチンゲール(人名の方でなく、鳥の名前。ホトトギスのこと)が「鳴いて血を吐くホトトギス」なのは見事に忘れててググったし、「フラクタルな事象を空間に閉じ込めるため」という言葉を医師が普通の看護婦に向かって言う状況は想像できないし、酒を飲んでばかりの無職の父を持つ父子家庭の少年が何故に入院中の病室でトランク二つもの本の山を築けるのかは謎で仕方がなかったです。
最初の本を読んだときにはそれほど気にならなかったのは、最初の本は登場人物のほとんどが凄い肩書き持ちのお医者さんって設定なうえに、時間をかけて書けたからかなー、と思いました。
ところで、あんまり関係ないですが、「白髭皇帝の殿前軍」や「将軍(ジェネラル)の近衛兵」などの二つ名は、私にはちょっと辛かったです…。
評価:5/5(素晴らしい)
夫の友人から紹介され、夫が全5巻を購入していた本。「この戦争描写はつらい」と思っていましたが、シンガポールに行ったかいがあってか(?)読めるようになったので読みました。
私の印象は「きれーなお姉さんは好きですか?」という本でした。みんな、大なり小なり結局はきれーなお姉さんのために戦うのかな、うらやましいな、私も戦うためのきれーなお姉さんが欲しいな、とりあえずは自分はこぎれいにして幸せそうにしてないと、そんなことを思いました。
仕方のないことだと思いますが、最後の巻で、きれいなお姉さんことユーリアがあんまりキレーじゃないコマがあるのが悲しかったです。
かなりハマったので、そのまま原作小説を読んでますが、漫画のほうが好みです。漫画って雄弁だけど曖昧で、その加減がいいなぁ、と思いました。
実際に中国文化について読んだのはこの本が初めてです。なので、この本だけの印象ですが、「日本人は中国人のことを理解するのが難しい」ということがよくわかりました。
「金持ちに貧乏人の気持ちは分からない」と言われれば、確かにそうだな、と頷きました。モラルで食えれば世話がないというのは理屈として分かっているつもりなのですが、なかなか、実感が難しいです。
法務の仕事をやっているときに、いくつかの中国ビジネスについて本を読み、そのときに納得したつもりのこともありました。けれども、いざ、実例を出されるとそこにある感触が分かってなかったんだなあ、と今更ながら思いました。ロジック的には理解出来る面も多いのですが、「応用するとそうなるのか」というようなのが興味深いです。
また、読みながら、逆説的ですが、中国人にも日本人のことは理解できないんじゃないかなー、と思いました。
評価:4/5(オススメ!)
あまりに近所の贔屓の本屋に長い間、積んだ上に「買え!」とばかりに帯とポップがあるので、耐えきれなくなり購入。シンガポールに持って行ったものの読む気力がなく、帰って来て2、3日かけて読了。
いい男風味の登場人物がいっぱいだったり、とにかく鬱っぽく、小難しく考える登場人物がいたりして、どことなくエヴァンゲリオンを彷彿とさせられました。エヴァが好きな人なら好みの本なんじゃないかな、と思います。逆にエヴァンゲリオンがダメな人は、覚悟をもって手を出されるのが良いかと思います。
私は、何故か、主人公のオヤジがゲンドウ、対峙する少年が渚カヲルでずっと脳内再生されていました。別に、そこまでキャラが似てるわけじゃないと思うだけに不思議です。
実は、ずっと「カヲル君に似てる訳じゃないのに、どうして私の脳内ではカヲル君の外見でしか再生されないのか。そして、主人公はゲンドウになるのか」だけ考えながら読んでいたので、それ以外の記憶はあんまりありません。でも、読んでいて楽しかったです。
また、途中で幻冬舎文庫だと知って、「え?これが幻冬舎文庫なんだ?」と少しびっくりしました。私の中で幻冬舎文庫は、こういうイイハナシめいたミステリじゃなくて、もっと、アクションやバイオレンスなんかの分かりやすさを重視したミステリを出すイメージでした。
評価:4/5(オススメ!)
「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門」を読んで以来、著者のマニアックなまでの投資への探究心と読者へのサービス精神が好きで、力が入ってそうな作品は小説も含め読んでます。ただ、著者の家も車も買うな、と書いてある本を読んで、私は家を買ったのでまったく実践は伴ってません。
本書は「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 」の次の力作と言える本で、海外投資について実に優しいところからマニアックなところまで詳細に記された本です。
最初に某グルメ漫画をもじって、「究極の料理」と「志高の料理」ならぬ「究極の投資」と「志高の投資」の対決させるならどうするべきか、というところで、読者をリードし、その後、現在の海外マーケットがどのようなことになっているか、IT時代は金融の何をどう変えたか、FXはどういうギャンブルか?、ヘッジファンドがやっているのは何か、タックスヘイブンとは?というところを、名目と実質のインフレ率とは?オプションとは?、というあたりから丁寧にやってくれます。
著者が参考にしている文献も豊富でおもしろく、「次の読書」への道筋にも事欠きません。実際に、「ヘッジホッグー危ない金融錬金術師たち」と「ザ・ニューリッチ」はおもしろく読んでます。
しかし、著者の著作を読むたびに思うのは、「この人にとって投資ってなんなんだろう」ということです。資産運用が儲かるからには、素人考えではノウハウは一人占めして出版なんてしないほうがいいように思います。それを出版するからには資産運用より執筆業やコンサル業の方が儲かるってことなのか?それにしては、大金を運用していないと行けそうにもないところに行っている気がするのはどうして?その投資にかける情熱や金銭は、執筆やコンサルのリターンを得られるものに見合うのものなのか?やはり、投資は趣味で、「投資の本を書けるなんてラッキー」という感じなのか?悩ましいです。