1.3 法務は実は何も分かっていない!

 法務部門、弁護士というのは実はビジネスや技術のことは何も分かっていないと考えるのが良いでしょう。会社の内部部門であるなら、常識として会社の組織やビジネスの内容は理解していると考えてもいいかもしれませんが、それ以上のことは期待できません。

 考えてみましょう。ある会社と契約を締結したいと考えたときに、お金をいくら払うかを決めるのはどの部署でしょうか。契約書の条件によっては金額が変わってきます。契約を締結した後に、契約書に従って業務を行うのはどの部署でしょうか。その契約にトラブルがあったときに責任を問われるのはどの部署でしょうか。その契約で会社の売り上げが上がったときに、お給料に一番反映されるのはどの部署でしょうか。

 法務部も弁護士も関係ありません。実際にビジネスを行う部門(営業部門やシステム部門)が責任をとり、報酬を受け取ります。その契約書に従ってビジネスが行われるかどうかの責任を負っているのはビジネスを行う部門で間接部門ではないのです。ましてや、外部の弁護士ではありません。報酬に関係ないところに興味のある人間や素養のある人間というのはとても少ないものです。あたなもそうではないでしょうか。

 では、法務部門や弁護士というのはどんな仕事をしてくれるのでしょうか。それは、あなたが契約書を理解するための手助けをしてくれるのです。難解な法律用語や、ぱっと読んでも意味がわからず巧みに逃げて表記してあるところを「こういう風に解釈できますけど大丈夫ですか?」とあなたに確認をしてくれます。また、あなたがいい契約書への表現方法を思いつけないときは、あなたに代わって簡潔で誤解しようのない表現を考えてくれます。相手の契約書にどう返答していいか分からないときには、経験のある人間なら過去の似たような事例から提案をしてくれます。あくまであなたの手助けをしてくれるだけなのです。あなたに代わって何かを判断してくれるわけではありません。リスクをとってくれるわけでもありません。あなたがすべきことを代わりにしてくれるわけではありません。

 契約書に技術的に難解なことや、SEが行うべきことが書いてあるのにもかかわらず、「法務や弁護士が読んでいるから自分が読む必要がない」と判断したり、「法務や弁護士が問題ないといっているから問題ないのだ」と判断したりしても、いざというときに法務も弁護士も責任はとれません。契約書に違反したとして責任を問われるのはSEです。

投稿者: michy 日時: 2006年02月28日 09:15

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コメント: 1.3 法務は実は何も分かっていない!

いいこと書いてますねえ。銀行員時代アメリカで仕事をしたことがあって(ついでに外資系金融機関にもいたことがあって)、理系に限らず日本のビジネスマンの法務センスのなさ(喰わず嫌い)には、未だにあきれています。
SEだって、ビジネスをしている以上、法務リスクから無縁ではないのです。法務リスクを取っていて、仕事の内容が一番わかっているのは、フロントの人間ですからね。
というか、契約書とは、行っている取引を法律という言語で記述したプログラムなんではないかと思っています。業務を知らずに、プログラムは書けないよね、当然ながら。

投稿者 法学部卒銀行マン経由今経営者 | 2006年09月15日 12:39

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