良い契約書かどうかはSEで決まる!
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2.5 瑕疵担保責任
よく問題になる任意規定に民法で定められている「瑕疵(かし)担保責任」というものがあります。民法で定められる瑕疵担保責任は、売買の場合と請負の場合とでは規定の内容が少し違います。SEの仕事というのは、通常、売買(物や権利の売り買い)ということはなく、請負(仕事を完成させる約束)ということになるでしょうから、ここでは請負の場合の瑕疵担保責任について説明します。
民法に定められている請負の場合の瑕疵担保責任とは、仕事を請負った側は、完成した仕事の引き渡し後1年間は、完成したものに対し約束した機能がなかったり、バグがあったりなどした場合(=瑕疵)には、注文者の損害の状況に応じて、無償での修理や損害賠償などの要求に応じなければいけない責任を負うことを指します。この責任は、たとえ請負人にまったく過失がなくても負わなくてはいけません。

プログラムの完成などの仕事を請負った場合に、この責任を背負うことになることがいかにおそろしいことかはお分かりかと思います。民法そのままの請負の瑕疵担保責任が適用されると、仕事が完成してからも1年間はずっと「バグがあるんだけど」と言われたら、たとえ自社に責任がなくても無償で補修しなくてはいけないので、びくびくして過ごさなくてはいけません。
もちろん、力関係によっては、仕事を受けるために仕方なく、このような内容の契約書を締結しなければいけないことがあるかもしれません。しかし、プログラム制作は複雑さを増し、完璧なバグのないプログラムを仕上げることは非常に難しい状況です。このような中、プログラムを制作する仕事を請負う側なら民法に規定されているままの瑕疵担保責任を負うのはなるべく避けたいと思うでしょう。また、SEの業界の通常の商慣習が民法に規定されている瑕疵担保責任と同じであるとは到底いえないでしょう。
この民法で定められている瑕疵担保適任の適用を避けたいとなったらどうすればいいのでしょうか。瑕疵担保責任は相手と契約(約束)がないときに適用される任意規定ですので、相手方と異なる約束をすれば効力を持ちません。約束はもちろん口頭でも有効ではありますが、いざというときに「いや、あのときはああいう話でしたけど」と相手が言い出さないとは限りません。書面、つまり契約書にしておくのが一番です。
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