良い契約書かどうかはSEで決まる!
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2.6 権利の帰属
瑕疵担保責任の項だけど読んで、「なーんだ、民法の規定って請負人にとって不利なんだ。じゃあ、注文する側だったら何も決めないで注文したほうがいいんだ」などと考えるとおそろしいことが待っています。それは出来たモノに対する権利の帰属先に関係します。
プログラムは著作権法でいう著作物と考えられているのですが、特別な約束をしない限り、著作権はプログラム制作を注文した側ではなく、プログラムを制作した側に所属することになります。特別な約束をしていなくて、プログラムの著作権がプログラムを制作した側に帰属してしまうと、プログラムを注文した側が完成したプログラムを利用したい場合には、また別に特別な約束をして、プログラムを利用できる権利(ライセンス権などと呼ばれます)を認めてもらわなくていけません。

著作権の所在を示すために「©」という表示をしたりしますが、世界のほとんどの国では「©」表示をしなくても著作権の発生は認められます。著作権は著作物(この場合はプログラム)を制作した時点で発生し、制作した人又は会社に帰属します。「©」表示は、約束を証明する契約書のように、「え、そんなあなたの著作物だとは知りませんでした」という人が表れると面倒なので、予防的に表示されているものだと考えると良いと思います。
同じく、よくイラストや文書などで「禁無断転載」などという表現も見かけますが、このような表記をしなくても著作権者に無断で著作物を利用する行為は著作権法違反となります。プログラムにおいても同様で、プログラムを利用したり、配布したりしようと思えば、著作権者にその利用は配布を認めてもらうことが必要になります。
従って、プログラムを制作してもらって、そのプログラムを自社が自由に利用しようと考えるなら、必ず「著作権は注文者に帰属します」という内容の約束を交わしておく必要が生じます。著作権法は複雑なため、条文はたとえ「著作権はすべて注文主に」という内容であっても長文になります。
また、著作権というのは著作物を利用する権利ですので、どこまでの著作権をどちらが所持するのか、というのは取引の重要な要素となります。お互いにギリギリまで譲れない分野です。このため、「ここまでの著作権はこちらだけど、ここまでの著作権はこちら」と複雑な取り決めがなされることになり、長文化に拍車がかかります。
ここでは著作権の問題だけを取り上げましたが、知的財産権と言われる特許などの他の権利でも、法律の規定は多少違うものの同様の問題が起こりますので、あらかじめ取り決めておくことが重要になります。
このように、取引の実情にあっていない任意規定が適用されないために、契約書が必要になります。
コラム![]()
インターネットにソースコードが流通している、いわゆるフリーソフトウェアも商用に利用しようとするときには、必ず著作権者に利用について許諾をとらなくてはいけません。Readmeファイルなどで「©表示をすれば、商用に利用してもいいです」ということが書いてあれば、©表示を指定された場所にすることを条件に商用に利用できます。しかし、まったく何も書いていないと、著作権者を探し出し、利用の許諾をとるところからはじめなくてはいけません。まったく利用条件について書いた書類がついていない、ということは自由に利用していいのではなく、利用する条件が分からないということなのです。
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